“ダメ会議”を変える7つのコツ:榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』(2/2 ページ)
会議に集まったはいいが、参加者が内職や居眠りをしていないだろうか。したり……。そんなダメ会議から脱却するために押さえるべき「4つのフェーズ」と「7つの基本動作」を紹介する。
進行は「4つのフェーズ」で
会議は「4つのフェーズ」に分けられる。「準備」「導入」「進行」「まとめ」だ。それぞれの役割は以下の通りだ。
準備(Prep): 文字通り、事前に会議の準備をするフェーズである。そういうと、会議室の手配や資料の準備、参加者への事前連絡などを思い浮かべるが、これらは準備のごく一部にすぎない。事前準備の質が会議の質を決めるといっても過言ではないくらい、準備は大切だ。ところが、会議の進め方を考えるような本質的な準備は、ほとんど実施されていないのが現状である。
導入(Kickoff): 狙いは、参加者を議論のスタート地点に立たせること。いきなり議論に入る会議をよく見かけるが、導入がおろそかになると 、参加者がすぐに“迷子”になる。会議に出たはいいが、「何をすればいいのか分からない」という状態になった経験はないだろうか。これから何をするのか、何のために議論をするのか、どのくらい時間をかけるのかを最初に全員で共有する。
進行(Conduct): こちらの狙いは議論をスムーズに進め、会議のゴールを達成することだ。参加者が好き勝手に発言していると、議論が混沌としてくる。こうなると、交通整理が必要だ。議論が全く盛り上がらないこともある。誰も発言しない、意見が出ない会議がその典型だろう。こうなると、意見を引き出す工夫が必要になる。
まとめ(Conclude): ここでの狙いは、これまでの議論をムダにしないこと。最後に議論を振り返り、決まったこと、やるべきこと、次回に議論することを確認する。
会議はざっくりと上記の4フェーズで成り立っている。そもそも、会議が「4つの段階で成り立っている」なんて考えたこともなかったという声すらある。何となく時間になると集まって、何となく議論して、何となく解散する。それではダメだ。それぞれのフェーズには、基本としてやるべきことがある。それらは全部で「7つの動作」に分類できる。
会議でやるべき「7つの基本動作」
会議のフェーズごとに、必要なファシリテーションの基本動作は異なる。「7つの基本動作」の全体像はこんな感じだ。本当はもっと無数のスキルを総動員するのだが、基礎となるのはこの7つである。
- 決まっとこと、やるべきことを確認する
- 会議の終了条件を確認する
- 時間配分を確認する
- 主張を引き出す
- 対話を促す
- 議論を可視化する
- 4つのP(目的、人、進め方、装備)を押さえて会議をシミュレーションする
先ほどの4つのフェーズに当てはめるとこんな感じになる。
番号の若い方が、難易度が低く、実施しやすいものだ。難しいことから始めずに、1から確実に実施することをお勧めする。
著者プロフィル:榊巻亮
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社 コンサルタント。一級建築士。
「現場を変えられるコンサルタント」を目指し、金融・通信・運送など幅広い業界で業務改革、新サービス立ち上げ、プロジェクトを通じた人材育成などに携わる。ファシリテーションとITを武器に変革プロジェクトを支援。詳しいプロフィルはこちら。
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