MicrosoftとFacebook、大西洋横断海底ケーブル敷設プロジェクト「MAREA」で提携
クラウドを推進するMicrosoftと世界に16億人以上のユーザーを擁するFacebookが、大西洋横断海底ケーブルの敷設で提携した。2017年10月に稼働開始の見込みだ。
米Microsoftと米Facebookは5月26日(現地時間)、大西洋を横断する海底ケーブル敷設計画「MAREA」(「潮流」という意味のスペイン語)を発表した。6600キロのケーブル敷設は8月に着工し、2017年10月に完成する見込み。
MAREAケーブル敷設の目的は、Microsoftのクラウドおよびオンラインサービス(Bing、Office 365、Skype、Xbox Live、Microsoft Azureなど)のための高速で信頼性の高い接続と、Facebookのユーザー約16億5000万人への快適なサービス提供を実現することという。
海底ケーブルは米国のバージニア州のバージニアビーチとスペインのビルバオを結び、ビルバオから欧州、アフリカ、中等、アジアのハブと接続する。これらのハブの構築と管理はスベインの大手通信キャリアTelefonica傘下のインフラ企業Telxiusが担当する。
MAREAケーブルの通信容量は160Tbpsになる見込みで、大西洋横断海底ケーブルとしては最速になるという。
MicrosoftとFacebookはMAREAを多様なネットワーク設備で利用できるよう“オープンに”設計しており、顧客は従来より低価格で高速なネットワークを構築できるとしている。
Microsoftはサティア・ナデラCEOの下、クラウドへのシフトを推進している。同氏は25日、日本で開催の「de:code 2016」で、「Microsoftは、モバイルファーストおよびクラウドファーストの世界に強みを持っている」と語り、Microsoft Azureを中心とする「インテリジェントクラウド」や、Windowsを中心とする「パーソナルコンピューティングの多様化」について説明した。
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