第16回 旅行の準備が早い人はデータの管理もうまい? スマートな技とその極意:クラウド社会とデータ永久保存時代の歩き方(1/3 ページ)
クラウドの出現で、人類が今まで築き上げてきた量に匹敵するデータをわすか数年で生成できる時代になりました。増え続けるデータの管理は大変そうですが、簡単にしていくヒントを旅行の荷造りから得られます。それは――。
よく出張に行くと、やたらに大きなバッグを持ち歩いている人がいます。そんな人に限って、準備に時間をかけている割には使わないものをたくさん詰め込んでいるように思います。日頃大量のデータに直面する中でデータをうまく整理整頓できず、何でも同じように扱っている人は多いのではないでしょうか。
旅行の準備が早い人、遅い人
旅行や出張に行くと、同じ宿泊数なのに人によって荷物の大きさがバラバラです。私は前日に準備をするタイプですが、1週間かけて準備する人もいます。時間をかけた人の荷物が小さいかというと、逆に大きくなる傾向があるようにも思います。この差はどこから出てくるのでしょうか。準備が早い人は以下のようなパターンをあらかじめ決めているのです。
何を持っていくか?
例えば、仕事なら代替できないものがあります。自前のPCやACアダプタは必須でしょう。自分のお気に入りのシェーバーなんかも必ず忘れないようにします。それ以外は現地調達が比較的容易なもの、例えば下着や歯ブラシなどです。持っていくのを忘れても、現地で何とかなります。
何に入れるか?
宿泊数や目的に応じてバッグ(大きさや形状など)を決めていると早く準備できます。例えば、ビジネスで日帰りならこのバッグ、3泊まではこのバッグ、それ以上であればこのバッグと、3パターンくらい決めておくと良いでしょう。
どのように詰め込むか
頻繁に取り出すものと、到着してから取り出すものを分類していると非常に効率的です。空港で大きなバッグを広げて探し物をしている人をよく見かけます。最初に詰め込むときに取り出す順番を意識しておくと、大事な時間を無駄にしなくて済みます。
パッキング上手はデータのまとめも上手
パッキング方法はどうでしょうか。特に服装を迷う人が多いと思います。プライベート旅行ならそれも楽しみの一つかもしれませんが、ビジネストリップであれば効率に徹しても良いと思います。
服装は同じものか、パターン化
服ならパターン化しておくのが簡単です。例えば、短期出張であればスーツは1着、スーツの色柄に合わせたシャツを2〜3枚、ネクタイは2本、靴は1種類という具合です。このような最小パターンを決めておけば、出張期間に応じてスーツごとにコーディネートされたパターンを増やしていったり、減らしていったりと、簡単に調整できます。
これはデータ管理で言うと「パターン化」、IT業界の言葉なら「テンプレート化」です。
予備は重要度に応じて用意する
とはいえ、日数分の荷物を持っていけばよいかというと、そうではありません。上述のように現地調達できるものは極力減らせます。私の場合、滞在期間が1週間を超える場合はホテルのクリーニングを利用します。そうすれば下着類は最大5日分で済みます。
これをデータに当てはめれば、Web検索で見つかる情報をあえて個人フォルダに保管する必要はありません。代わりにそのリンク集を作り、分かりやすいように整理しておくことで、自分で管理するデータの量を削減できます。ただし、そのデータが急に読めなくなっても誰も保障してくれませんから、特に重要なものは個人のデータフォルダに入れておくべきでしょう。
頻繁に取り出すものは別にする
パッキングする際に、「移動中に取り出すもの」と「取り出さないもの」に分けて考えることも重要です。すぐ取り出せるところに頻繁に取り出すもの(例えばPCやスマートフォンの充電器、ケーブル類)を入れ、到着後だけしか使わないもの(着替えやスリッパなど)はバッグの奥底にしまっておいても問題ありません。
データも同じで、頻繁に読み出すデータはショートカットや、階層の浅いフォルダからアクセスできるようにしておくことが重要です。また、データの階層管理でいうと、アクセスの頻度の高いデータはダウンタイムが小さく、スピードも速い階層に保存しておき、アクセス頻度の低いデータは“バッグの奥底”、つまり「コールドデータ」として低コストの階層に保存します。
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