Chatbotは“第4の産業革命“、乗り遅れてはならない:村上福之の「Botと人工知能と俺様」(2/2 ページ)
Chatbotを取り巻く技術やサービスが大きな注目を集めている。facebook、Google、Microsoft、Googleといった大手IT企業が次々と関連製品をリリースし、この分野への投資も急増している。なぜ今、Chatbotなのか――。その理由をさまざまな視点から見ていこう。
増えるChatbotの資金調達
Chatbotサービスが各社から登場し、資金調達や買収案件の話を耳にすることが多くなったのも2016年に入ってからの大きな動きだ。特に驚くべきは、Chatbotのシナリオツールと音声認識のベンチャーであるWit.aiが創業18カ月で早々にfacebookに買収されたことだ。既に3億5千万円程度の出資を受けていたので、売却額は二桁億円は超えていると思う。facebookのbotがリリースされる前に、botのシナリオツールが買収されるという気の早さで、もう、何が何だか分からない。botブームが来る前に資金調達や買収される案件も今後増えるだろう。
日時 | サービス名 | 内容 | 金額 |
---|---|---|---|
1月20日 | Luka | レストラン予約 | 5億円(4.42M USD) |
4月 8日 | Troops | セールス支援 | 2.9億円 |
5月 4日 | Liveninja | CS支援 | 2.2億円 |
5月10日 | Wit.ai | botシナリオと音声認識 | FBが買収(金額不明) |
資金調達の状況を見てみると、レストラン予約や、営業支援や、カスタマーサポートといった、従来は人間が行っていた業務をChatbotが代行するサービスが資金調達に成功している。正直に言うと、どのサービスも現時点では“自然言語による会話”というレベルには達していないが、今後の成長が期待される。
第4の産業革命は定時退社の夢を見るか?
Chatbotは第4の産業革命になる可能性はある。ただ、自然会話ができるエンジンはまだ完成レベルにはほど遠く、ましてや、日本語の自然言語による自動応答はまだまだ完全とは言いがたい。
しかし、多くの人間がやっていた情報業務を置き換える可能性は否めない。“Chatbotということを意識して使う”ならば、機能的には今でも特に問題はないからだ。
それでは一体、どんなサービスでChatbotが活躍するのか。Chatbotで代替できそうな情報業務は次の通りだ。
- 飲食店やホテルの予約をChatbotで
- アメリカは電話の音声認識自動応答技術が既に実用化されているので、Chatbotが電話でテレアポ
- 弁護士の簡単な相談もChatbotで
- 転職のマッチングもChatbotで
- 不動産屋さんもChatbotで
- 塾の先生もChatbotで
- ラ○ザップのトレーナーもChatbotで食事指導
- 原稿の催促もChatbotで
第1次産業革命当時、仕事を失った労働者が工場の機械を破壊する運動が起こった。いわゆるラッダイト運動というものだ。第4次産業革命が進展する近未来、Chatbotは失業者を増やし、21世紀のラッダイト運動を引き起こすのか? それとも、Chatbotが仕事をしてくれるようになって、その分、われわれの給料が向上し、定時に帰れるようになるのか――。
おれたちの第4次産業革命は、まだ、はじまったばかりだぜ!
読者の皆さん、fukuyuki_botをかまってみませんか?
本連載の著者、村上福之氏が女子高生AI、「りんな」をベースにしたbot、fukuyuki_botを公開しました。普通で一般的な話題を持ちかけると案外、普通に会話してくれるそう。ぜひ、いろんなアプローチで面白い話を引き出してくださいね。
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