NECは6月21日、同月下旬から本社ビルで顔認証を活用した決済サービスの実証実験を開始すると発表した。
この実証実験は、4月から同じく本社ビルで実施する「ウォークスルー顔認証システム」の大規模実証実験に続く第2弾。ウォークスルー顔認証システムは、事前に撮影・登録した社員の顔画像と、ゲートに設置したカメラで撮影した顔画像を照合して本人確認を行うものだが、今回は事前撮影・登録した社員の顔画像と、POS端末の近くに設置したカメラで撮影する顔画像を照合して本人確認を行う。
実験に参加するのは、ウォークスルー顔認証システムの実証実験に参加しているグループ社員。本社ビル内の売店での商品購入時を利用し、顔認証によるキャッシュレス・カードレスの決済の実効性を確かめる。期間は8月下旬まで。
NECの顔認証技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)が実施した顔認証技術ベンチマークテストの「静止画像からの顔照合部門」で2009年、2010年、2014年と3回連続で第1位を獲得している。
今回の実証実験では、実店舗を想定してカメラの種類、設置位置、照明、セキュリティと利便性のバランスなどのさまざまな運用条件を設定する。その上で認証性能や運用負荷を検証・改善し実用化に向けた技術性能向上や運用ノウハウの蓄積を図る。
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