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680億PVのヤフーを支えるDWH活用、14年の歴史の“裏側”(3/3 ページ)
100以上のサービスを展開し、月間680億PVの巨大ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」。そこで得られる膨大なデータを蓄積するデータ分析基盤はどうなっているのか。その全貌と苦労の歴史、そして“よりよい分析環境”を作るために意識していることを聞いた。
業務部門の“協力者”を増やすことがデータ充実のカギ
今後は彼らが求めるパフォーマンスを出せる分析基盤の整備するとともに、主要なサービス以外のデータ連携、そして業務部門と協力して、さらに有用なデータづくりを進めていくと話す。
「例えば天気とショッピングの売り上げって関係がありそうですよね。ヤフーとしてはどちらのデータもありますし、より役に立つデータになる可能性があります。業務部門の中には部署を超えた視点を持っている人たちもいるので、そういう人たちと仲良くなってWin-Winの関係を築ければいいですね。ウチのチームは4人しかいないので、どんどん協力者を増やしていくことが、プロジェクト成功の近道だと思っています」(櫻井さん)
ユーザーが求めるデータ分析環境は、技術の進歩や企業のビジネス状況によって次々と変化していく。現在もサービス部門ごとに独自で作ったシステムやデータベースを接続する方法を思案しているなど「データづくりは地道な作業」だと語る櫻井さん。
しかし、さまざまな変化に対応し、多くの人を巻き込みながら、ユーザーが使いやすく、ビジネスの成果を出しやすい環境を作り続ける櫻井さんたちの考え方や動きに学ぶところは多い。データ活用を進めようと考えるIT部門には欠かせない視点といえるだろう。
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