上海でグレートファイアウォールにぶつかった話:半径300メートルのIT(2/2 ページ)
上海ディズニーリゾートのオープンに立ち会うために、生まれて初めて旅行した上海。そこで2つの大きな壁にぶつかったのです。
3日間、1.5Gバイトで足りる? 足りない?
今回利用したのは10日間、1.5Gバイトの通信が可能な、中国移動香港のSIMでした。ITmedia Mobileのこの記事を参考にして選んだもの。
丸3日間の滞在だったので、写真はたくさん投稿するものの、1.5Gバイトもあれば安心だろうと思っていました。実際、私は数百Mバイトの容量を残して旅行を終えたのですが、同行していた家族は全く足りなかったようです。2日目が終わるころ「ねえ、なんかこのiPhone、いきなり遅くなったんだけど?」と、言い出したのです。見てみると、ずいぶん前に容量を使い切ったことを知らせるSMSが届いていました。
何をやっていたのかチェックしてみると、「最近、Facebookで面白い料理動画があって、つい見ちゃうのよね〜」と言うのです。ええっ、それって今、見るべきものなの? 確かに十数秒くらいではありますが、通信量という意味では“ちりも積もれば……”というわけで……。中国でも普段と変わらない通信ができることが災いし、ガンガンパケットを消費していたというわけです。
しかし家族を責めることはできません。ここ最近、SNSサービス上にはさっと閲覧できる動画がたくさん投稿されています。これについては、例えば「動画を自動再生しない」という設定や、「Wi-Fi環境でのみ動画を自動再生する」ことが可能なアプリがほとんどです。海外旅行に行く人は、この設定がどうなっているか、空港でチェックしておくべきかもしれません。
- 半径300メートルのIT:パケット使用量との戦い――勝つ方法を試した結果
間もなく夏休み。海外旅行に向かう人で「現地でスマホを使う」ならば、不要不急の通信量を下げるという意味でアプリの設定をチェックしてみてください。そして、安全、安心に使いたいなら、個人用VPNの設定もお忘れなく。
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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