その「Pokemon GO」、ホンモノですか? 熱狂の裏の脅威:半径300メートルのIT(2/2 ページ)
世界中で大評判になっている拡張現実ゲーム「Pokemon GO」。「早く遊びたい」という気持ちから、つい脅威に対する警戒心を失うと大変なことに……。
もっとまずいのは……
そしてもう1つ、気を付けたいことがあります。それは「マルウェアをインストールするために自らがハードルを下げてしまう」行為。以前にも本連載で触れたことがありますが、Androidにおいて「提供元不明のアプリのインストールを許可する」というオプションを安易に変更してはいけないのです。
ところが、今回のような話題性の高いゲームでは、「どうしても遊びたい」「どうしても見たい」という気持ちが先に立って、その判断能力が鈍りがちになります。例えば、「このメールからダウンロードできるアプリをインストールすると一足先に遊べます! その際、エラーが出たら設定を1つだけ変えてください!」と書かれていたとしたら……。「何かおかしい」という感覚よりも、「今すぐ遊びたい!」という気持ちが勝ってしまうような気がします。
この点に関しては、「家族のスマートフォン」にも気をつかうべきかもしれません。特にお子さんたちの世代は、スマートフォンの操作に関しては「プロ級」。インストールの方法が書かれていれば、その通りに操作してインストールできてしまうでしょう。しかし、それは「マルウェアをインストールする方法」かもしれません。こうした事態を防ぐためにも、“このオプション設定は触ってはいけない”ということを、スマートフォンを渡す前に伝えすることをお勧めいたします。
……と、少々厳しいことを書いてきましたが、私もPokemon GOのリリースを心待ちにしています。ゲームがリリースされたとしても、楽しむのは一呼吸おいて正規なアプリをダウンロードしてから。そしてより実践的なセキュリティ対策として、「歩きスマホ」には十分に気を付けてくださいね。
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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