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ビッグデータ活用の鍵を握る個人データ匿名化の日米比較:ビッグデータ利活用と問題解決のいま(1/3 ページ)
個人データの活用において必須とされるのが、本人を特定されないようにするための匿名化だ。今回は匿名化技術の代表例である健康医療分野を例に、日本と米国における匿名化の状況をみていこう。
本連載第7回で、匿名化技術の代表例である健康医療分野の「プライバシー保護データマイニング(Privacy-Preserving Data Mining)」を取り上げた。改正個人情報保護法でも注目される「匿名化」は、米国と日本でどのように違うのだろうか。
「HealthTech」のイノベーションの前に立ちはだかる「匿名化」
2016年1月に部分施行された日本の改正個人情報保護法は、以下のような形で「個人情報」「個人識別符号」「要配慮個人情報」「匿名加工情報」を定義している(関連情報)。
その後、2016年8月2日に個人情報保護委員会は、改正個人情報保護法政令案および規則案を公表し、個人識別符号や要配慮個人情報、匿名加工情報の取扱いに関する具体的なルールが示している(関連情報)。
今回の政令案・規則案では、「個人識別符号」に該当するものとして、以下のようなものが示された。
- 細胞から採取されたデオキシリボ核酸(DNA)を構成する塩基の配列
- 顔の骨格および皮膚の色並びに目、鼻、口その他の顔の部位の位置や形状によって定まる容貌
- 虹彩の表面の起伏により形成される線状の模様
- 発声の際の声帯の振動、声門の開閉並びに声道の形状およびその変化
- 歩行の際の姿勢および両腕の動作、歩幅その他の歩行の態様
- 手のひらまたは手の甲、もしくは指の皮下の静脈の分岐および端点によって定まるその静脈の形状
- 指紋または掌紋
- 旅券法の旅券番号
- 国民年金法の基礎年金番号
- 道路交通法の免許証番号
- 住民基本台帳法の住民票コード
- 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)の個人番号
- 国民健康保険法の被保険者証
- 高齢者の医療の確保に関する法律の被保険者証
- 介護保険法の被保険者証
- その他、個人情報保護委員会規則で定める文字、番号、記号その他の符号
また、「本人の病歴または犯罪の経歴」に該当するものに加えて、「要配慮個人情報」に該当するものとして、以下のものなどが示された。
- 本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者により行われた疾病の予防および早期発見のための健康診断その他の検査の結果
- 健康診断などの結果に基づき、または疾病、負傷その他の心身の変化を理由として、本人に対して医師などにより心身の状態の改善のための指導または診療、もしくは調剤が行われたこと
こうしてみると、成長市場としてイノベーションか期待される「HealthTech」(健康医療×IT)で日常的に利用されるデータの多くが、「個人識別符号」や「要配慮個人情報」に含まれることになる。
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