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仕事で使うタブレットの利点と欠点:仕事と生活と私――ITエンジニアの人生(2/3 ページ)
情報端末としてのスマートフォン、タブレット、PCの特徴を整理しながら、企業クライアントとしてのタブレットの利点などを考えます。
企業クライアントとしてのタブレットの利点
企業クライアントとして見た場合、タブレットの利点は非常に多い。ここまでで紹介した機能も含めて、あらためて列挙してみよう。
スマートフォンとの比較
- 画面サイズが大きい……画面サイズがPC並みに広いため、Webベースシステムなどはほぼそのまま利用できる。
- 高度に個人的な情報を含むことが少ない……メールのアドレス帳など、個人情報を含むこともあるが、高度に個人的な情報を含むことは比較的少ない
PCとの比較
- 安価、小型、軽量……ノートPCに比べると安価で、小型軽量である。
- 高い操作性……タッチ操作に最適化された操作性は、マウスより使いやすい(と思っている人が多い)。
- システム構成の制約……構成に制約があり、自由な設定ができない。これは、トラブルが少ないというメリットでもある。
- アプリケーションの制約……搭載されているOSにもよるが、アプリケーションのインストール経路に制約があり、トラブルを起こす確率がPCよりは低い。
- 通信機能……全ての機種に無線LANが内蔵されているほか、3GまたはLTEによる携帯電話ネットワークを使ってインターネットに接続できる機種が多い。外付けの通信装置を必要としないのは携帯に便利。
企業クライアントとしてのタブレットの課題
一方で、幾つかの課題もある。最大の問題は拡張性である。iPadにはUSB端子はもちろん、SDカードのスロットすらない。スマートカード(ICカード)も利用できない。内蔵ストレージも拡張できないし、主記憶やCPUのバリエーションも少ない。Android系のタブレットには拡張機能を持った機種も存在するが、PCほど自由ではない。
しかし、拡張性のなさは、トラブルが少ないことにつながる。PCの利点は「何でもできる」ことだが、それがトラブルの原因となる。
PCに不具合が発生したとき、大抵の人は「何もしてません」と言うが、ほとんどの場合は何かしている。何かしているのだが、あまりにいろいろなことができるので、何をしたか自分でも分かっていないのである。
「何もしてません」は、PC初級者だけが発する言葉ではない。私の同僚も、私も突然のトラブルが起こったときは「何もしてないと思うんですけど」と言うことが多い。「思う」……つまり「気付いてないだけで何かしたかもしれない」と謙虚になることだけが初心者との違いである。
タブレットにも多くの設定項目があるものの、その数はPCよりもずっと少ない。サポートする上では、PCよりもずっと楽だろうと想像できる。
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