ISDN終了に対応、パナソニックがMVNOで移行サービス
2025年頃までの終了が検討されているISDNについて、パナソニックとセンチュリー・システムズが代替回線や機器の提供を発表した。
パナソニックとセンチュリー・システムズは9月5日、2025年頃までの終了が検討されているISDNの移行サービスや機器をそれぞれ発表した。現行システムを生かして容易に移行できるとしている。
ISDNは、2016年3月末時点で337万契約(NTT東西256万契約、他社直収81万契約、総務省資料より)があり、ATMなど設備保守や企業間取引などで利用されている。NTTの基幹網のIP化が進んだことで、総務省は2020頃から2025年頃までにISDNを段階的に終了させる方針を掲げるが、コスト面や代替手段などに関する利用者側の懸念が根強くあり、具体的な終了時期は明確になっていない。
パナソニックが10月から提供を予定するサービスでは、同社がMVNO(仮想移動体通信事業者)となり、センチュリー・システムズと共同開発したM2Mゲートウェイ機器を利用。ISDNの一般的な費用に比べて、回線費用を3分の1程度に削減できるという。サービスメニューでは通信容量別やVPN対応の有無など、複数の内容を用意するとしている。
センチュリー・システムズM2Mゲートウェイ「FutureNet MA-E370/L」は、LTE対応のLinuxアプライアンスをベースに、アナログ電話ポートやモデムなどを搭載したモデルとなる。レガシー端末のシリアルデータを送信する際は、モデムエミュレータ機能を使ってIP化し、LTE回線で転送する。またSIPサーバ機能やアナログ電話ポートなども内蔵し、VoIPを利用した“みなし音声”による通話も可能だという。
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