手にした商品をPepperが多言語で案内 実証実験を開始
マイクロソフトとSBクリエイティブ、資生堂は、デジタルサイネージとPepperを連携させた多言語対応サービスの実証実験を首都圏のドラッグストアで開始した。
日本マイクロソフトとSBクリエイティブは10月21日、SBクリエイティブが展開するIoTソリューション「インテリジェント・ラベル」とソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」を連携させたサービスの実証実験を、資生堂ジャパンの協力の下、首都圏のドラッグストアで開始することを発表した。
インテリジェント・ラベルは、店舗の商品棚にマイクロデジタルパネルを取り付け、インターネット経由で商品情報をタイムリーに発信するとともに、モーションセンサー「Kinect for Windows」を連携させることで、顧客の棚前行動も把握・分析できるというもの。今回の実証実験では、さらにPepperと連携させることで、多言語でのサービス展開を可能にする。
具体的には、顧客が商品棚に近づくとインテリジェント・ラベルのモーションセンサーで検知し、Pepperによる顧客対応が開始される。顧客の発話言語はPepperが判別し、インターネット経由でマイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」に情報を送り、インテリジェント・ラベルに表示されるコンテンツとPepperの言語切り替えを行うという。言語は、日本語、中国語、英語に対応。
モーションセンサーは顧客がどの商品を手に取ったかも検知し、その情報はMicrosoft Azureに送ってデータ分析を行ったり、マイクロソフトのAI技術「Microsoft Cognitive Services」や「Azure Machine Learning」を活用してPepperと共有したりするために利用。Pepperは顧客が手にした商品の情報を伝え、商品の理解を促進し、購入を後押しするという。
今後はさらにAI機能を強化することで、これら一連の対応を通して得た顧客属性、行動パターン、感情などに基づき、どのような顧客対応が購買行動につながるのかも理解できるようになっていくとし、言語に自動的に反応してコミュニケーションをとる技術への期待が高まると予想される。
日本政府観光局の発表によると、2016年1〜9月の累計訪日外国人客数は1800万人に迫る勢いとなっており、日本人だけでなく、訪日外国人に関する購買行動の分析をこのような形で行う試みは、小売業を中心に注目されるだろう。
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