「国産」と「外資系」のパッケージソフト、結局何が違う?:失敗しない「外資系」パッケージソフトとの付き合い方(2/3 ページ)
外資系パッケージソフトの導入で失敗しないための方法を解説する本連載。本題に入る前に、外資系ベンダーと国産ベンダー、両者の製品の違いについておさらいしておこう。
ローカライズのワナ?
日本企業が新規製品を開発する際は、海外をメインターゲットにするケースを除けば、まず日本語環境のソフトウェアを開発してリリースするのが普通です。
それに対し、外資系企業は英語環境のソフトウェアを最初に開発します。もちろん、はじめから多言語に対応したソフトウェアを出す場合もありますが、それはその言語圏が市場として有望だと判断されたのだと考えられます。
ここでは一例として「言語」の違いを取り上げましたが、大切なのは、日本人向けに開発されたソフトウェアと、世界規模の市場向けに開発されたソフトウェアは、たとえ目的が同じであっても、違う機能が優先されるということです。
この部分をちゃんと理解していないと、「日本で商売しているのだから当然、日本のことを第一に考えて製品を作っている」「多少の無理を言っても受け入れられるはず(国産メーカーなら受け入れられる)」とか、「なぜ日本向け(もしくは自社向け)にカスタマイズや機能拡張してくれないのだろう」といった誤解が生まれてしまいます。
そんな認識を持ったままだと、ソフトウェアベンダーとのコミュニケーションは平行線となり、「このソフトウェアって使えないよね」「うちのやり方には合わなかったね」と未使用のまま捨てられることさえあるのです。外資系パッケージソフトウェアならではのメリットもあるのに、これではもったいないと思います。
さて、ここまで2回にわたって、パッケージソフトウェアとシステム開発の違い、そしてパッケージソフトウェアの中でも、国産と外資系ベンダーの違いをご紹介しましたが、いかがでしょうか。「パッケージ化された、しかも外資系のソフトウェアなんて使いづらそうだ」と思いましたか。
少なくとも私の経験では、その答えは「No」です。
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