大事な思い出のデータ、古いメディアに入れっぱなしで大丈夫?:半径300メートルのIT(2/2 ページ)
大事な思い出のつまったデジタルデータ、古いメディアに入れっぱなしにしていませんか? 「いつか取りだせばいいだろう」とのばしのばしにしていると……。
皆さんの家庭にも、このような、「0と1のビット配列」とひと言では表現できないようなデータがたくさん眠っているのではないかと思います。特に画像データは、あなたしか持っていない、とても貴重な「0と1」です。ただ、その情報の入れ物(カード)が目の前にあったとしても、それを読み取るデバイスが健在かどうかまで、気を付けている人は少ないかもしれません。
最近のPCには、CD/DVDドライブが付いていないものも増えています。10年ほど前は、「バックアップはDVD-Rで」というのが常識でしたが、そのDVD-Rを読むドライブがなくなっている場合もあるわけです。また、DVD-Rの円盤自体が劣化し読み取れなくなる可能性もあります。今回の例のように、写真が入ったメディアの規格自体が存在しなくなり、カードリーダーが売っていないため読み取れない――という事態も起こりうるでしょう。
大事な思い出のデータを残しておくためには、使っていたメディアの読み取り装置が消える前に、今、健在なバックアップ手段に「乗り換え」ていく必要があります。実質、現状ではバックアップの乗り換え先は「HDD」が本命でしょう。
もし、皆さんの家にCD-R、DVD-R、MO、PD、ZIP、JAZ、スマートメディア、xDピクチャーカードなど、最近聞かなくなってしまった「メディア」があったとしたら、「ドライブ」を探し、念のため中身をチェックしてみてください。もしかしたら、そこには大事な思い出が眠っているかもしれません。
そしてデータを読み出したら、ちゃんと外付けHDDなどにバックアップし、かつ「取り外す」ことをお忘れなく(なぜなら、ランサムウェアが狙っているからです)。その一手間が、あなたの思い出を永遠のものにするはずです。
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
関連記事
- 「半径300メートルのIT」記事一覧
- ランサムウェア対策にはバックアップだけど――追加したい「もう一手間」
国内でファイルを「.vvv」に変えてしまう新たなランサムウェアとみられる被害が報告されました。詳細情報はまだ出ていませんが、データを守って万一の被害に備えてください。 - スマホの写真とクラウド自動バックアップの悩ましい関係
スマホのカメラで撮影した写真――撮影者しか持っていないワン&オンリーなデータです。万が一の消失を考えればクラウドへの自動バックアップはありがたい機能ですが、情報システム部門にとっては厄介な話かもしれません。 - 簡単? めんどう? OS別面白ページをすぐ隣の人に伝える方法
ちょっと面白いコンテンツをみんなでシェアしたいときに、LINEなどがなければ意外と大変かもしれません。そんな時に便利な使い方(?)をご紹介します。 - 今どき“USBもクラウドストレージも使えない会社”なんて……
セキュリティを高めれば高めるほど、現場の利便性が損なわれてしまう――。そんな業務現場とIT部門の不毛な戦いを終わらせる方法はあるのでしょうか……。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.