ソニービルと3.5インチフロッピーディスクの思い出:仕事と生活と私――ITエンジニアの人生(3/3 ページ)
1980年にソニーが開発し、最盛期には世界市場で年間約45億枚生産されたという「3.5インチフロッピーディスク」。その歩みを、エンジニア的な視点から振り返ってみます。
“The Network is the Storage”が、今や……
現在はFDを使っていない。WDSはWindows PEをネットワーク起動するため、FDもCDも使わない。演習中に作成したファイルは、インターネット上のサービスを使ってファイルを転送する。
ちなみに「Windows Server 2012」のHyper-Vは物理FDを扱えないし、第2世代仮想マシンに至ってはそもそもFDが使えない。FDは、もはや過去の遺物となった。
マイクロソフト、シスコ、オラクルの各ベンダー提供の講習会では、講習会評価アンケートのためにインターネット接続が原則として必須となっている(例外は認められている)。また、オンライン教材を使う講習も増えているので、インターネット接続がなければ講習会自体が成り立たない。
“The Network is the Computer(ネットワークこそコンピュータ)”はSun Microsystems(後にOracleに吸収合併)が創業以来のキャッチフレーズとして挙げていたものである。そして、現在は、ストレージもネットワークとなった。起動システムもデータもネットワーク上に配置できる。
現在、起動システムは社内LANのみをサポートするのが普通だが、将来、きっとインターネット上のOSイメージをロードして起動するシステムができるだろう。既にWAN越しにシステムをロードして起動する技術はあるのだから、不可能ではないはずだ。
全てがネットワーク上に集約されるのは時代の流れである。現在、サーバエンジニアとクライアントエンジニアの境界は曖昧だが、ネットワークエンジニアとは明確に分かれていることが多い。しかし、サーバとクライアントとネットワークはセットで設計しなければならないはずだし、今後はますますその傾向が強くなる。
フロッピーディスクの最期を思いながら、そんなことを考えた。
著者プロフィル:横山哲也
グローバル ナレッジ ネットワーク株式会社で、Windows ServerなどのIT技術者向けトレーニングを担当。Windows Serverの全てのバージョンを経験。趣味は写真(猫トライブ)。詳しいプロフィルはこちら。
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