次期Windows 10のCreators Update 3D機能は企業にメリットあり?:Enterprise IT Kaleidoscope(2/3 ページ)
Windows 10の次期アップデート「Creators Update」の新機能は一見企業ユースとは無縁だが、意外な可能性を秘めるかもしれない。2017年の展望も占ってみたい。
Microsoftは、2017年をコンシューマーにおけるMRやVRの幕開けと考えているようで、ビジネスアプリケーションのOfficeも、3Dオブジェクトを扱えるようにする計画を立てている。例えば、MR HMDを介して複数のユーザーが仮想現実空間の会議に参加し、3DオブジェクトをサポートしたPowerPointでプレゼンテーションを行うといったことも可能になるかもしれない。
連絡先も1つに?
3D関連の他には、Windows 10の連絡先(People)に登録されているユーザーをデスクトップにピン留めし、メールやメッセージング、Skypeなどのコミュニケーションツールから簡単にアクセスできる機能「MyPeople」が提供される。
MyPeopleでは頻繁に連絡を取る相手をデスクトップにピン留めできる。デスクトップのピン留めをクリックすれば、メールやメッセンジャー、Skypeなどを使ってすぐにコミュニケーションがとれるという仕組みだ
この機能は細かなアップデートの1つと考えられるが、Microsoftはユーザーが持つ連絡先の情報を一括して管理し、さまざまなアプリと連携してコミュニケーションがとれるようにしたいと考えているのだろう。
もしかすると、同社が買収したLinkedinの情報や、Facebookの友人関係の情報などの連絡先が集約するようになるかもしれない。クラウド上の連絡先サービスと連携し、各サービスでアップデートされれば自動的に最新の情報にアップデートされたり、MyPeopleからLinkedinやFacebook、Twitterなどを使ったコミュニケーションサービスとも連携することも考えられる。
企業での利用を想定すれば、会社単位でのコンタクト情報を一括管理し、さらに社員のプライベート関係の連絡先を持つといった使い方も考えられる。日本のSanSanの名刺サービスのように、名刺をベースとしてコンタクト情報を集めるサービスと連携してくれると、便利になるだろう。また会社の組織図と社員情報を一括して相互にやり取りするような仕組みができれば、ビジネスサービスとしては面白いモノになると期待できる。
このあたりの可能性はCreators Updateで完成されるのではなく、Office 365やDynamicsなどと連携したサービスが継続的に開発されていくこととで実現していくかもしれない。この他にWindows 10が搭載されたゲーム機のXbox Oneには、Microsoftが買収したゲーム実況サービスBeamの機能も提供される。
関連記事
- Windows 10 Anniversary Updateが公開、企業はすぐ導入すべきか?
Windows 10の公開1周年となる「Anniversary Update」の提供が始まった。企業ではAnniversaryの導入をどう考えるべきだろうか。 - Windows 10で変化した企業向けライセンスのお話
最初のリリースから1年が経過したWindows 10は、これから企業導入の本格的なフェーズを迎えていく。今回は企業向けライセンスがどう変わるのかについておさらいしてみたい。 - Windows 10で新たに導入される月額課金モデルとその戦略
Microsoftは、企業向けWindows OSのボリュームライセンスに月額課金モデルを追加することにしている。その特徴と提供の狙いはなんだろうか。 - Windows 10へのアップグレード、混乱のまとめと今後を占う
Windows 10へのアップグレードをめぐる騒動が起きている。その原因と対処方法、企業での対応などについておさらいしてみたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.