デジタルサイネージをクラウドで運用、NECが中小向けにサービス化
デジタルサイネージ市場でのクラウド活用ニーズの拡大を見込み、中小規模デジタルサイネージへのクラウド導入を支援する「PanelDirector for Cloud サービスパッケージ」を発売。ディスプレイに内蔵可能な専用コントローラーも同時発売する。
NECは12月2日、1台から数十台規模のデジタルサイネージの導入を支援するというクラウドサービスのパック製品「PanelDirector(パネルディレクター) for Cloudサービスパッケージ」を発表した。同時にディスプレイに装着する専用コントローラー「TP2G」(別売)も提供する。
同社はこれまで「PanelDirector for Cloud」を、主に大規模導入向けに提供してきたという。新製品は中小規模でもデジタルサイネージをクラウドサービスで導入したいという企業ニーズに応えるもの。サービスの年間利用ライセンスをパッケージ化した。クラウドサービスのため、初期費用の低減やシステムメンテナンスの負荷軽減も可能だという。
コンテンツの運用・管理は、クラウド上のデジタルサイネージの運用管理を行うためのCMS(Contents Management System)を利用して行う。写真や動画、イメージ画像などの素材を専用サイトにアップロードし、名称や表示時間・期間といった登録を行うことでコンテンツを作成できる「オートプレイリスト機能」や、表示順序や日時指定のコンテンツ登録などの設定ができる「イベント機能」を装備する。
素材として活用できるのは、画像(JPEG、BMP、GIF)、動画(WMV、MPEG-2、MOV、MP4、WebM)、PowerPoint形式のファイルに加え、URLにひも付くインターネットページの直接表示やタッチパネル操作などにも対応するHTML5など、さまざまなファイル形式に及び、コンテンツを切り替える際のエフェクト(クロスフェード)の設定も可能だという。
また、同時発売のディスプレイ内蔵型OPS(Open Pluggable Specification)対応専用コントローラー「TP2G」をディスプレイに装着することで、コンテンツの配信先の振り分けや、コンテンツの表示状態の確認、誤ったコンテンツの表示停止などの運用管理を行える。例えば多店舗展開する流通業の場合、エリア(関東、関西など)や都道府県、市区町村といった単位で配信コンテンツを設定する「階層管理機能」や、規模や立地条件といった店舗の属性に応じて付与したタグ単位で配信コンテンツを設定する「タグ管理機能」によって、柔軟な配信ができるとのこと。
「PanelDirector for Cloudサービスパッケージ」と専用コントローラーの価格は、ともにオープン価格。NECでは、今後3年間で100ユーザー、1000セット以上を販売目標としている。
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