キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)とNECは11月29日、顔認証機能を組み込めるビデオマネジメントシステム製品を発売した。監視カメラ映像の録画に加え、顔認証を利用したサービスなどの応用もできるという。
新製品は、NECのIAサーバ「Express5800シリーズ」にキヤノンMJが国内で販売するデンマーク企業Milestone Systems製の映像管理ソフト「XProtect」のExpressエディションをインストールしてアプライアンス化した。これにNECの顔認証エンジン「NeoFace」を利用できるオプションも提供する。
アプライアンスには最大48台までネットワークカメラを接続でき、カメラ映像を保存できる。キヤノンMJによると、XProtectのExpressエディションでは150社5000機種以上のカメラに対応。映像フレーム内の特定領域を指定して、そこで動きを検知した場合にだけ録画したり、専用アプリをインストールしたスマートフォンなどのカメラの映像を取り込んだりできるという。
また、オプションの顔認証機能を利用すれば事前に顔画像を登録した人物をリアルタイムに高い精度で検出したり、保存された映像データから検出してその部分だけを瞬時に再生したりできる。
両社は、従来のネットワークカメラシステムでは防犯などの用途で映像を記録するために導入するケースが多かったものの、ビデオマネジメントシステムではさまざまな種類のシステムと容易に連携できる点が特徴だと説明する。新製品では顔認証技術を組み合わせることで、病院や介護施設における“見守り”サービスや、宿泊施設や店舗などでは上得意客の来場を検知してスピーティーに応対する“おもてなし”サービスといった新たな使い方ができるとしている。
新製品は両社がそれぞれにラインアップを設定し、両社の販売網で提供する。NECのラインアップではキヤノンMJのラインアップに比べて同梱するXProtectのカメラの台数ライセンスが少ないが、保守サービスが付属する。キヤノンMJのラインアップでは保守サービスの利用は別途有償になるが、XProtectのカメラ台数ライセンスはNECのラインアップより多い。税別提供価格は最小構成の場合で、NECが52万円から、キヤノンMJが53万円から。顔認証機能を組み込んだエントリーモデルはNECが130万円から、キヤノンMJが129万円からとなる。
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