シリコンバレー見聞録 デザイン思考の発信地を訪ねて:柴崎辰彦の「モノづくりコトづくりを考える」(1/2 ページ)
IT起業の聖地といわれるシリコンバレーで見聞きした興味深い体験から、注目のポイントを紹介。第6回は、“イノベーション魂”を揺さぶられるスタンフォード大学のデザインスクール「d.school」です。
この記事は柴崎辰彦氏のブログ「柴崎辰彦の「モノづくりコトづくりを考える」」より転載、編集しています。
SAPのビジネス大変革には、実はデザイン思考が大きく影響しているらしい。
「デザイン思考では、答え(Problem Solving)よりも問題を定義すること(Problem Finding)の方が大切なんですよ!」
SAPの小松原さんは、そう指摘してくれました。これは、要件定義が難しい事業部門や生活者を対象とした世界で、いまだ世の中に存在しないデジタルシステムを考える場合には特に重要なスタンスだと思います。そのための解決手法として今注目を集めているのが、デザイン思考なのです。
世界的に有名な名門私立大学
スタンフォード大学は、世界的にも有名な名門私立大学。あのジョン・F・ケネディやテスラのイーロン・マスク、タイガー・ウッズも出身者らしい。一説によると、年収1500万円以下の家庭の子息は学費無料とか。
そのスタンフォード大学に私財を投じてデザイン思考を体系的に学ぶ「d.school」を設立したのが、SAPの会長のハッソ・プラットナー。彼は、デザイン思考の考え方に共感し、日本円にして30億円以上も投じたのだ。東海岸のIDEOからも人材をハンティングしたらしい。
聖地とはこんなもの
意外と小ぢんまりとしたガラスを多用した校舎に入り、少し進むと少し広い吹き抜けのスペースが出現する。ここには、“イノベーション魂”を揺さぶるメッセージ性溢れる垂れ幕が!! 恐らくこのスペースではさまざまなイベントが開かれるのだろう。
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