「総論賛成、各論反対」で進まないプロジェクト、どう突破する?:DMP成功まで、あと1センチ(7)(1/3 ページ)
「DMPってなかなか良さそうだね」。そんな雰囲気で導入プロジェクトがスタートしたものの、いざ具体的な話をし始めると、さまざまな部署から横やりが入って大変なことに――。DMPに限らず、よく聞く苦労話です。周りに邪魔をさせないためにできることとは?
「DMPの導入には賛成だけど、いざ進めようとすると反対する人が多い。結局、ウチみたいな古い会社は、新しいことに対して“総論賛成、各論反対”だよ」――。そんな不満を口にする人がいます。DMPに限らず、以下のような状況に陥ったことはありませんか?
なぜ自社にDMPが必要なのか? という理論武装は完璧。経営層からの評判も上々。それなのにツール選定段階になって、情シスやツールベンダーから「言うだけなら簡単だ!」「○○には技術選定が必要」という横やりが入って、急に雲行きが怪しくなってきました。私たちを支援するはずのSIer側もダンマリ……。これは一体、どういうこと!?
「戦略」「戦術」「技術」、どれが欠けてもうまくいかない!
総論賛成、各論反対――。こうなるのは、各論が総論にひも付いていないだけなのかもしれません。システムを導入するとき、意外と軽視されるのが戦術論や技術論です。どのように実現すればいいのか、具体的な話が欠落したまま高尚な目的だけが定まって、後になって迷走する姿は第5回でも紹介した通りです。
なぜ、そんなことが起きるのでしょうか。それは、方針を示す「戦略」、戦略を実現するための作戦である「戦術」、戦術を実現するための能力や技である「技術」、この3つのバランスが取れていないからです。戦略だけの議論は、コメントにある通り“言うだけ”の議論と言えます。
特にDMPは公開されている事例も少なく、「DMPとは何か? どこがすごいのか?」という戦略論に注目が集まることが多かったため、「DMPをどのように使いこなすのか」「具体的にマーケティングの仕事の何が変わるのか」という戦術論はあまり語られてこなかったのが現実です。
その結果、「導入は済んだが、成果が出ないDMP」が各企業で生まれてしまったのではないかと思っています。そこで今回はプロジェクトを“言うだけ”で終わらせないために、総論としての戦略論、そして各論という戦術論、技術論のバランスの取り方を紹介します。
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