「Tableau」と「Redshift」を導入、ココカラファインの狙いとは?:ビッグデータで“おもてなし”(1/3 ページ)
「ドラッグストアなんて、どこも似たようなものじゃないの?」 差別化が難しい業界において、データ活用で活路を探るココカラファイン。プライベートDMPやセルフサービスBI導入の目的は個客単位でのおもてなしにあるという。
店舗やイベント、Webやモバイルといったチャネルを問わず、あらゆる場所で顧客と接点を作る「オムニチャネル」戦略。この小売業界で注目されて久しいトレンドを、ドラッグストアが採用するケースが増えてきている。
セイジョーやセガミ、ジップドラッグなど、全国で1300店舗以上のドラッグストアを展開する「ココカラファイン」もそんな企業の1つだ。2013年にインターネット通販事業を運営する「ココカラファインOEC」を設立、2016年には実店舗を運営する「ココカラファイン ヘルスケア」と合併し、両者の事業を融合しようとしている。
同社は今まさにITやデータを活用して、新たなドラッグストアの形を模索しているという。オムニチャネルプロジェクトの中心となって動いているのは、販促部 マーケティングチームのマネジャーであり、自身も薬剤師の郡司昇氏だ。
ドラッグストア業界は差別化が難しい?
市場規模が6兆円を超えるなど、ドラッグストア業界は百貨店業界に匹敵するほどの成長を遂げている。この1月から、セルフメディケーション(自主服薬)税制が始まったこともあり、ドラッグストアの需要は、これからさらに伸びていくと予想される。
郡司氏によると、日本のドラッグストア市場では、上位10社が売上の7割以上を占めている一方で、この10社というのは、企業数としては全体の5%強であり、集約が進んできているという。しかし、各企業(ブランド)の差別化はあまりできていないそうだ。
「イメージの総量と消費者の好感度が比例するという調査結果があるのですが、これは特徴的なドラッグストアが少なく、各社の差別化ができていないことを意味していると思うんです。多くの消費者は、こだわりのドラッグストアブランドがあるわけではなく、自宅や勤務地の近くにあるかどうかが利用する際のポイントになります。それに消費が大きく左右されているのが現状なのです」(郡司氏)
そのような状況下で、ココカラファインは「友達以上、医者未満」の相談しやすいドラッグストアを目指していくという。年代や生活水準、性別などのセグメントニーズや、安心や信頼といった感情ベースのニーズについても分析した結果、このキーワードにたどり着いた。
「頭が痛い、胃が痛い、腰が痛いといった症状があったときに、友達に聞いても専門家ではないので、正確に答えることはできない。かといって、ちょっとした症状で病院に行くのも現実的には難しい――ドラッグストアの顧客ニーズはここにあると考えています」(郡司氏)
友達以上、医者未満。郡司氏が他社と差別化を図るためのキーとして挙げているのが、実店舗とWebそれぞれにおけるITの活用だ。
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