Spotify、ユニバーサルの新アルバムは2週間有料会員限定に
Spotifyが米大手レーベルUniversal Music Group(UMG)との新たな契約を締結した。これにより、所属アーティストは新アルバムを2週間有料会員限定公開にする選択肢を獲得した。
スウェーデンの音楽ストリーミングサービスSpotifyは4月4日(現地時間)、米大手レーベルのUniversal Music Group(UMG)との新たな複数年契約を締結したと発表した。
この契約により、UMG所属アーティストは自分の新アルバムのストリーミングを最初の2週間だけ有料会員限定公開に設定できるようになる。
UMGには、テイラー・スウィフト、カニエ・ウェスト、アデル、レディ・ガガ、コールドプレイなど多数のアーティストが所属する。テイラー・スウィフトは2015年、Spotifyがアーティストを不当に搾取しているとして自身の楽曲を引き上げた。今回の親契約でSpotifyに戻ってくるかどうかは不明だ。
なお、2週間有料会員のみにできるのはアルバムのみで、シングルカットした楽曲はリリースと同時に無料会員にも公開される。
この他、両社はSpotify上でのマーケティングキャンペーンでも協力していく。
Spotifyのダニエル・エク会長兼CEOは発表文で「この提携は、両社共通の音楽への愛で成り立っており、アーティストの価値を創造し、それをファンに届けるためのものだ」と語った。
さらに、UMGはSpotifyのデータへの“先例のないアクセス”が可能になる。どのようなデータなのかは不明だが「このデータはアーティストとレーベルがファンとの結び付きをより強固にするためのツールの基盤になる」としている。
2008年創業のSpotifyの3月時点の有料会員数は5000万人、昨年6月時点のアクティブユーザー数は1億人以上。同社は2018年に株式公開する計画と報じられている。
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