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大企業の8割が“デジタルトランスフォーメーションに本腰” その背景は(2/2 ページ)

「今、まさにパラダイムシフトが起こっている。2017年が変化点になる」――。日本企業のデジタルトランスフォーメーションに対する取り組みについてこう話すのは、IDC Japanの木村聡宏氏。今、企業で何が始まっているのか。

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ステージ3以上が8割に

 調査からは、DXの成熟度が中間以上の企業が8割近くに達していることが明らかになった。この理由について木村氏は、この1年でDXの認知が高まったことや、それに伴って企業の意識が高まっていることを挙げる。しかし一方で、現時点では短期的な取り組みが多く、革新的な製品やサービス、顧客体験を創出するレベルには至っていないことも指摘している。

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DXの成熟度調査の結果
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2016年に行った調査との比較

 特性ごとにDXの進展を見てみると、リーダー変革とオムニエクスペリエンス変革は4割超がステージ3に位置しており、ワークソース改革と運用モデル変革は3割超がステージ4に達している。情報変革はステージ3が5割超という結果となった。

 2016年の調査結果と比較すると、「おおむね全体的に1段階アップしている」(木村氏)といい、大企業のDXに対する取り組みが加速していることが分かるという。

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DXの特性別成熟度を示す分布図

DXを成功させるポイントは

 今後、DXに取り組む企業に向けて、木村氏は3つのポイントを紹介した。1つはDXを進めるにあたって、“自社がどの段階にあるか”を把握することだ。DXの構成要素それぞれについてポジションを把握することが重要だという。

 2つ目は推進に向けたビジョンとゴールを明確化すること。痛みを伴う改革もあることから、経営層のコミットメントとリーダーシップが重要になると木村氏は指摘する。

 3つ目は習熟度の向上に向けた取り組みだ。現状を踏まえた上で、次のステージに移行するための戦略を策定するとともに、取り組みの進み具合を常にモニタリングすることが大事だという。

 DXはまた、その進展に伴って新たなビジネスプロセスやビジネスモデルへの移行を余儀なくされることから、抵抗勢力の反発にどう対応するかも大きな課題だという。「ここでは企業のトップがビジョンをいかに共有できるかがカギになる」(木村氏)

 DXの推進は、IT部門や経営企画、業務部門など、多くの部署を巻き込む必要があることから、成功企業の中にはDX推進室を設置する企業もあると木村氏。特にステージ3から4、4から5への移行はハードルが高いといい、それを実現するためには、部門ごとに単発の実証実験を行うような形ではなく、全社横断でプロジェクトを進め、“企業のビジネスの中にDXを埋め込んでいく”ことが必要だとしている。

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