コレ4枚で分かる「ブロックチェーン」:即席!3分で分かるITトレンド
世界的に広がりを見せているブロックチェーンテクノロジーについて、その背景とともに、特徴や用途を4枚の図で解説します。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! いまさら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
ブロックチェーンへの関心が高まっています。デジタル通貨「ビットコイン」の登場とともに発明されたこの技術は、通貨にとどまらず、資産の管理やその取引などの在り方を根本的に変えてしまうかもしれないほどの可能性があると期待されています。
他にも、次のような用途が期待されています。
- 個人の資産を、高い匿名性を確保し、プライバシーを守りながら保証する手段
- 膨大な数のデバイスを維持管理しなければならないIoTにおいて、人間が運用管理しなくても自律的にデバイス同士で維持管理できるような仕組みを実現する手段
- 第三者の保証なしに契約の正当性を保証する「スマートコントラクト」の基盤
特に大きな特徴は、3つ目の、信頼できる第三者機関、例えば政府や中央銀行、証券取引所などの資産価値の存在や取引の正当性を保証してくれる組織が存在しなくても、それが保証される仕組みであることです。重厚長大な政府機関や銀行などがなぜ必要だったかを考えれば、このような資産価値や取引を保証するためでもあったわけですが、それらを不要にしてまう可能性は、社会の仕組みそのものにも大きな変化を強いるかもしれません。
「ビットコイン」が世界的に大きな広がりを見せているのも、その背景に、政情や経済が不安定で、政府やその機関を信頼できない人たちが、そういう権威に頼らなくても自分の財産を守れるという期待があるからです。また、暗号化の技術を使って高度な匿名性を保証できることも、このような人々にとっては、大きな魅力となっています。まさに、政府や国家に信頼がおけないからこそであり、この事実は、ブロックチェーンの可能性、あるいは社会的な影響力の大きさを裏付けているともいえるでしょう
このような「ビットコイン」の基盤となっているブロックチェーンがどのようなものなのかを、4枚のチャートに整理してみました。なお、この内容は、『ブロックチェーン・エコノミクス 分散と自動化による新しい経済のかたち』(高木聡一郎著、翔泳社刊)や他の資料を参考にまとめさせていただきました。
著者プロフィール:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィールはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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