Alphabet傘下のNest、インテリジェント監視カメラ「Nest Cam IQ」を299ドルで発売
“iPodの父”が立ち上げ、Googleに買収されたスマートホーム企業Nestが久しぶりに新製品を発表した。「Nest Cam IQ」は顔認識や音声認識機能を搭載するインテリジェントな監視カメラだ。
米Alphabet傘下のスマートホーム企業Nest Labsは5月31日(現地時間)、新しいインテリジェント監視カメラ「Nest Cam IQ」を発表した。米国で299ドル(約3万円)で発売した。Nestの製品は日本では販売されていない。同社が新製品を出すのは「Nest Cam Outdoor」以来で約1年ぶりだ。
Nestは2014年に買収したDropcamの監視カメラをベースにした「Nest Cam」を2015年に発売したが、「Nest Cam IQ」はゼロから設計した全く新しいものという。
「IQ」が示すように、AI(人工知能)採用のインテリジェント機能がウリ。カメラに(犬や壁に映った影などではなく)人が写ると自動的にその人物にズームインして静止画を撮影し、ユーザーに画像付きのプッシュ通知を送る。オンラインサービスの「Nest Aware」に加入するとさらに、顔認識に基づくアラート機能も利用できる。これで、例えば家族の誰が何時に帰宅したかが分かるし、登録していない人が侵入すればすぐに分かる。
搭載するマイクで、人の話し声や犬の吠え声をキャッチすると、それもプッシュ通知する。
ハードウェアのスペックは、カメラは800万画素で12倍のデジタルズーム機能付き。30fpsの1080p動画の撮影が可能だ。視野角は130度で暗いところでも撮影可能なナイトビジョン機能がある。スピーカーとマイクが搭載されており、スマートフォンのアプリを使ってカメラのある部屋と通話できる。
Nest Labsは“iPodの父”と呼ばれるトニー・ファデル氏が2010年に創業した。2011年に発表した家庭用サーモスタット「Nest Learning Thermostat」で注目を集め、2014年にGoogleに買収された。その後あまり新製品が出ずに迷走気味だったが、2016年にCEOがファデル氏から元Motorola Mobilityのマルワン・ファワズ氏に代わり、立て直しを図っていた。
「2011年に世に出したThermostatはゲームチェンジャーだった。Nest Camはそうではない。既に多数の競合が市場に出ている。(中略)それでもNest Cam IQは市場の水準を上げるのではなく、Thermostat同様にゲームチェンジャーになるだろう」(Nest)
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