富士通、ブロックチェーンを活用したデータ流通ネットワークの構築ソフトを開発:年度内に製品化?
富士通は、ブロックチェーンによる安全なデータ流通ネットワークを実現するソフトウェアを開発。企業の枠を超えたデータ相互活用の支援基盤として、2017年度内の製品化を目指す。
富士通は6月5日、ブロックチェーン技術を活用し、安全なデータ流通ネットワークを構築するソフトウェアを開発したと発表した。
同ソフトウェアは、ブロックチェーンの応用による分散データアクセス制御技術「富士通VPX(Virtual Private digital eXchange)テクノロジー」をベースとしたもので、富士通研究所が開発。ブロックチェーンの機能を拡張し、データ提供者が保有するデータの属性情報と、データの保管場所にひも付いたID情報をブロックチェーンの分散台帳に登録でき、データ利用者を限定するといったアクセス権限も設定可能だ。
データ利用者は、分散台帳に登録された属性情報からデータを検索し、データのID情報を入手できる。データの受け渡しは、データ提供者の保存場所から直接データをダウンロードさせるのではなく、利用者からID情報でデータの申請を受けて、対応したデータを暗号化して送付するため、データの安全性を維持したまま、データのやりとりが行えるという。
また、データ利用者が申請を行ってから、アクセス権限を認証し、データが送信されるまでの一連のプロセスを自動的に実行するスマートコントラクト機能を搭載しており、データのやりとりを効率化できる。
富士通では、IoTやAIによって、企業や組織の枠を超えたデータの相互利用が注目される一方、一般的な仕組みでは、データを外部環境に預けなければならないため、セキュリティやプライバシーなどの懸念が障壁になりやすいと指摘。データを外部環境へ預けることなく、自身の環境に置いたまま相互利用できる仕組みとして、分散環境を前提としたデータ流通ネットワークを実現するソフトウェアを開発したとしている。
同社は今後、同ソフトウェアを拡張し、広域ネットワーク向けに仮想ネットワークをオンデマンドで提供するソフトウェア製品群「FUJITSU Network Virtuora」シリーズの1つとして、2017年度内に製品化することを目指す。
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