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朝日信用金庫、Watsonで営業店の問い合わせ対応を効率化
東京都台東区を拠点に66店舗を展開する朝日信用金庫が、営業店から本部への事務問い合わせ業務にIBM Watsonを導入した。
朝日信用金庫は7月11日、日本IBMとローレルバンクマシンの支援のもと、IBM Watsonを活用した金庫内の事務問い合わせ支援システムを構築し、7月10日から運用を開始したと発表した。新システムの導入により、問い合わせ対応に必要な事務作業の効率化を見込んでいる。
新システムでは、営業店から問い合わせを受けた際、音声認識技術を使って自動入力された内容が本部担当者のPC上に提示される。担当者は、確認したいことがあれば「チャット形式」「検索形式」「両方式」のいずれかでWatsonに照会が可能。Watsonが質問の意図を理解して、膨大な事務規定のデータを網羅的に探し、回答候補を画面上に提示する。
なお、新システムでは、Watsonの「Speech to Text」機能を利用して音声による検索内容の入力を行い、Conversation機能を利用してチャット形式での自然な会話を実装し、Retrieve & Rank機能を用いて膨大な情報の検索やランク付けを行っているという。
朝日信用金庫では、今回の取り組みを契機に、今後、本部や営業店においてWatsonの活用分野の拡大を検討する。営業店の端末から直接同システムへ問い合わせをしたり、営業係が外訪先で事務手続などについて問い合わせをしたりできる環境の構築に取り組むとしている。
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