旅行にデジカメ、やめました:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
旅行の写真はスマホだけにしたい、でも「デジタルカメラを持っていけばよかった」と後悔したくない。そんな迷いを思い切って振り捨ててみると……。
前回に続き、海外旅行のお話です。今回の旅行の大きな発見は、「もう、旅行にデジタルカメラはいらない」ということです。
高画質と引き換えに犠牲になるもの
最新のデジタルカメラは小さくても、高画質な写真を撮影できます。ズーム機能や本格的なストロボも実装されていて、旅行の思い出を残すための必需品でした。
しかし、それも恐らく過去のことになりそうだと思ったのは、やはりスマートフォンのカメラ画質の向上と、カメラを取りまく環境の強化を体感したからです。
スマートフォンは今やPCと同じくらいの処理能力を備え、常にインターネットにつながっています。そのため、単体のデジタルカメラとは異なる進化を遂げてきました。
私も今回の取材旅行には小さめのミラーレスデジタルカメラを持参し、撮影を続けていました。高画質できれいに撮れますし、ズームもあるのでしっかりと対象物に寄ることができます。ソフトウェア処理ではない光学的にきれいなボケもでますし、やはり専用機器は素晴らしいと思います。
しかし、面倒なこともあります。例えばSNSに投稿したくてもスマートフォンに移すためには若干の煩雑な操作が必要ですし、せっかくのきれいな写真データもPC(もしくは外付けHDDやNAS)にため込むことになり、その写真を見るにはやはり数ステップが必要です。
仕事の撮影ならいいですが、個人旅行に持っていく場合、デジタルカメラはちょっと気軽さに欠ける感もあります。軽くなったとはいえ、そこそこかさばる精密機械を大事に持ち歩くことになります。そうして撮った写真はPCの中にしまい込まれて、さっと振り返ることもできません。高画質とのトレードオフのこの代償は、そろそろ見直すべきなのかもしれないと思ったのです。
iPhoneの“動く写真”にハマる
一方のスマホはといえば、持ち歩かないわけにはいきません。そして最近のスマホは驚くほど高画質なだけでなく、デジカメではやりづらいことがさらっとできてしまいます。
その代表格ともいえるのが、iPhone 6s以降から使える「Live Photos」です。これはディスプレイ上部中央にあるLive Photosボタンをオンにして撮影することで、シャッターを押した前後1.5秒、トータルで3秒の短い動画を同時に撮影するというものです。
百聞は一見にしかず、ぜひ見てもらいましょう……といいたいところですが、Live Photosを見る方法がFacebook投稿くらいしかないのです。見たい人は、このURL(https://www.facebook.com/dpostjp/posts/1614992088524432)に、スマートフォンのFacebookアプリからアクセスしてみてください。1枚の写真が、生き生きと動くことが分かります。
実はLive Photosの面白さに気付いたのは、旅行も後半になってからでした。この機能を知ってはいたのですが、実際に使うまでこれほど楽しいとは思ってもいなかったのです。それからというもの、デジタル一眼はホテルの部屋に置いて、全ての撮影をiPhone1台でこなすようになりました。
うれしかったのは、実は帰国後でした。これまで撮影した写真が、生き生きと動くのです。動かないものを撮影した写真でも、Live Photosなら「音」の情報も記録されています。しかも、その写真はいつでも、手元にあるiPhoneで振り返ることができます。
ズームもなければ細かい調整もできないカメラで撮ったコンテンツではありますが、旅行の写真は「高い画質よりも、動く思い出」だと実感したのです。
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