オムニチャネル時代のPOSに欠かせない3つの要素:Weekly Memo(1/2 ページ)
日本HPがおしゃれな店舗にフィットするPOSの新製品を発表した。確かにおしゃれなPOSは今までなかった。実はそこに小売業の構造変化が映し出されているのではないだろうか。
オムニチャネル時代の店舗に向けたPOS
まずは写真1をご覧いただきたい。小売店舗カウンターでの商品購入のやりとりを再現した光景だが、注目はカウンター上に設置されたPOS(販売時点情報管理)端末。あたかもタブレットか小型PCといった感じでPOS端末には見えない。これが、日本HPが8月25日に発表したPOSシステム「HP ElitePOS」である。
HP ElitePOSは、小売業界で使用されている箱型POS端末とは異なるモジュラー型デザインが特長だ。このデザインにより、支払い用途だけでなく、対話型のデジタルサイネージや店舗にない商品の購入も可能にする、セルフサービス端末としての利用に適した設計となっている。
この新製品のさらに詳しい内容については発表資料をご覧いただくとして、ここでは同社がこの新製品を投入した背景に注目したい。というのは、そこに小売業の構造変化が映し出されているのではないかと考えるからだ。以下、それをひもといてみよう。
まず、この新製品の発表に向けて来日した米HPアジアパシフィック&ジャパン モビリティ担当ディレクターのダレン・ウン氏は、発表会見で次のように語った。
「EC(電子商取引)が消費者の購買行動に影響を与える中で、従来の実店舗を構える小売業者は、データに基づいた顧客の購買行動への理解を深め、優れた顧客体験を提供する必要がある。HP ElitePOSはそのためのデジタルインフラとなるものだ。これによって、HPは小売業の再構築を提案していきたい」
このウン氏の説明を補足するように、日本HP執行役員パーソナルシステムズ事業 本部長兼サービス・ソリューション事業本部 本部長の九嶋俊一氏が、現在の小売業界で起きている変化として、「既存小売業のオムニチャネル化」「EC専業小売業の店舗展開の推進」「高い要求を持つ顧客への対応」「店舗は購入の場から実体験の場へ」の4つを挙げ、「これらの変化に適応できるPOSを作り上げたいと考えたのが、HP ElitePOSの開発のきっかけだ」と話した(図1)。
ちなみに、オムニチャネルとはネットや実店舗などあらゆる販路を活用することである。九嶋氏は、「HP ElitePOSは端的に言えば、オムニチャネル時代の店舗に向けたものでもある」とも語った。
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