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Flash亡き後、それを置き換える技術は?Mostly Harmless(1/2 ページ)

Flashがなくなることが決まった今、それを置き換える技術はどのような進展を見せているのか。

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この記事は大越章司氏のブログ「Mostly Harmless」より転載、編集しています。


 FlashがWebの世界を去っていくことが注目されましたが、その一方でリッチなWeb体験に力を注ごうという勢力もあります。その1つが「PWA(Progressive Web Apps:プログレッシブ Webアプリ)」。モバイルの「Webアプリ」に「ネイティブアプリ」並みの操作性や表現力を持たせようとするものです。

 モバイルのWebページを高速化する「AMP(Accelerated Mobile Pages)」などと同様、Googleが中心になって推進していたためか、これまではAndroid版「Chrome」を中心に採用が進んでいました。しかし、これがiOSでも使えるようになる(かもしれない)というのです。

ネイティブアプリ対Webアプリ

 Webアプリは、Webブラウザの中で動くアプリです。これに対し、PCなどにインストールして使うアプリを「ネイティブアプリ」と呼びます。ネイティブは「土着」とか「先住民」とかという意味で、ここでは特定のプラットフォーム専用ということを指しています。Webアプリを動かすWebブラウザそのものも、ネイティブアプリです。

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 ネイティブアプリは、WindowsアプリならWindows用に開発され、Windows上でしか動かず、Mac用アプリはMac上でしか動きませんが、WindowsやMacに最適化されているので動作速度が速く、プラットフォームの機能をフルに引き出すことができ、使いやすいアプリを開発できます。

 一方のWebアプリは、HTMLやJavaScriptなどの標準技術をベースにしており、標準技術に準拠したWebブラウザさえあればプラットフォームには関係なく動きます。

 インターネットの普及によってWebブラウザがさまざまなプラットフォームに標準的に装備されるようになると、Webアプリがマルチプラットフォームに対応できるのではないかということで普及し始めたのです。

Webブラウザの限界

 しかし、これには大きな問題がありました。Webブラウザは、「インターネット閲覧ソフト」ともいわれるように、もともとは「表示」が目的で、しかも標準規格が策定されたのが古いため、動画や音声、アニメーションなどのいわゆるマルチメディアを取り扱うことができなかったのです。Webアプリに必要なUIを作るための機能も不足していました。

 そこで注目されたのが、「Flash」でした。Webブラウザの機能を拡張し、動画や高度なUIに対応できるFlashは、Webアプリ時代には欠かせない技術でした。Flashによって、Webブラウザはネイティブアプリ並みの表現力と操作性を手に入れることができ、マルチプラットフォームに対応できる環境が整ったのです(ただし、繰り返しになりますが、Webブラウザも、そのプラグインとして動くFlashも、それそのものはネイティブアプリですから、プラットフォームごとに開発しなければなりません)。

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