トランプ米大統領がDACA打ち切りを発表 AppleやGoogleのCEOが反対表明
ドナルド・トランプ米大統領が、オバマ前大統領が立ち上げた不法移民の強制送還猶予措置「DACA」の撤廃を発表した。Apple、Google、Microsoft、Facebookなどの米IT大手がそれぞれに反対を表明した。
ドナルド・トランプ米大統領は9月5日(現地時間)、不法移民の強制送還猶予措置「DACA」の撤廃を発表した。撤廃までに6カ月の猶予期間を置き、連邦議会が代替案を作成する。
トランプ氏は声明文で「この問題解決のために連邦議会と働けることを楽しみにしている」「今こそ議会が行動する番だ!」などと語った。
DACA(Deferred Action for Childhood Arrivals)はバラク・オバマ前大統領が2012年に大統領令で立ち上げた不法移民の強制送還猶予措置。子どものころ親に連れられて米国に不法入国した若者(DREAMersと呼ばれる)が、一定の条件を満たせば2年間は合法的に米国で働き続けられるというものだ。現在約80万人の、15〜36歳の若者がこの措置の恩恵を受けている。
トランプ大統領はこの措置は「オバマ氏が連邦議会を迂回して作った措置」とし、「わが国を支える教義に反する」とオバマ氏を非難した。連邦議会に代替案を作成させることで、正当性をアピールする狙いのようだ。
決定が発表される前からDACA存続を訴えていた米IT企業大手は一斉に決定に反対する声明を発表した。
8月31日にトランプ氏への公開書簡を送った米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEO率いる非営利の人権団体FWD.usは「トランプ大統領の決定にがっかりした」とし、米国民に連邦議会に対し、強制送還猶予法「Dream Act」の承認を求めるよう呼び掛けた。
主なところでは、米Appleのティム・クックCEO、米Googleのスンダー・ピチャイCEO、米Microsoftのサティア・ナデラCEO、米UberのコスロシャヒCEOなどがそれぞれこの決定についてツイートした。
FWD.usの公開書簡には署名しなかった米IBMも公式Twitterアカウントで連邦議会による猶予措置の合法化を求めるとツイートした。
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