Lenovoエンタープライズ事業トップが語る「競合追撃の決め手」:Weekly Memo(1/2 ページ)
2014年10月にIBMのx86サーバ事業を買収してエンタープライズ事業に本格的に乗り出したLenovo。この4月に事業推進体制を大きく変えた背景にはどんな思惑があるのか。
2017年4月に刷新したLenovoのエンタープライズ事業
「Lenovoは2014年10月にIBMのx86サーバ事業を買収してエンタープライズ事業に本格的に乗り出したが、しばらく足踏みしていた状態だった。しかし、2017年4月から事業推進体制を大きく変え、新たな事業戦略を打ち出して臨んでいる」――。こう語るのは、Lenovoのエグゼクティブバイスプレジデントでデータセンター事業部門のプレジデントを務めるカーク・スコーゲン氏である。
9月8日に来日し、東京・秋葉原のレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ本社で筆者の単独取材に応じた。
冒頭のコメントは、「LenovoはPCをはじめとしてコンシューマー事業を展開している印象が強いが、エンタープライズ事業は本気でやる覚悟があるのか」と、インタビューの最初に行ったぶしつけな質問に答えたものだ。この後、続けて「まさしく本気、本腰を入れてやっている」と、にこやかながら強い口調で語った。
スコーゲン氏が言うように、Lenovoはエンタープライズ事業において2017年4月から事業推進体制を大きく変え、新たな事業戦略を打ち出した。具体的には、体制変更ではエンタープライズ事業を推進するデータセンター事業部門の独立性を高め、実質的なカンパニー制によって事業責任を明確にする形になった。また、新戦略では今後伸長する市場に向けた製品・サービスの拡充を図った。
そうした動きをけん引したスコーゲン氏は、2016年11月にIntelから移籍してきた人物である。Intelには24年間在籍し、直近ではデータセンターとクライアントコンピューティングを合わせた事業部門のトップを務めていた。その同氏がLenovoに入社後、まず、辣腕(らつわん)を振るったのが、新しい体制と戦略づくりだ。とりわけ、体制については「営業の変更が肝。これまでの営業はPCもサーバも手掛けていたが、これを明確に分けてサーバ専任の営業部隊をデータセンター事業部門として持つ形にした」という。
一方、新たな事業戦略については、今回のインタビューでもスコーゲン氏が注力事業として挙げた「ハイパースケール」「ハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)」「ソフトウェアデファインドインフラストラクチャ(SDI)」「トラディショナルIT」の4分野にフォーカスしていくことを打ち出している。
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