スマホで生体認証、業務システムへのアクセスを簡単セキュアに 富士通のFIDO認証ソリューション
富士通が、業務システムにアクセスする際に、スマホを生体認証デバイスとして利用し、FIDO認証を実現する機能を発表。「オンライン生体認証サービス」に新機能として提供する。
富士通は9月11日、次世代オンライン認証規格FIDO(Fast IDentity Online)に準拠したオンラインサービスを実現する「FUJITSU IoT Solution 生体センサー認証ソリューション オンライン生体認証サービス」の機能を強化した。新たに業務システムへのアクセスにFIDO認証を使用できる「パソコン・スマホ連携機能」を追加し、提供を開始する。
働き方改革の進展で時間や場所を選ばず働ける環境作りが進む中、機密情報の漏えいや不正アクセスといったセキュリティリスクを低減する手段として、生体認証と公開鍵暗号を用いる「FIDO認証」方式が注目されている。
今回追加された新機能は、会社支給や個人所有のスマートフォンに専用アプリをインストールするだけで、業務PCと連携したFIDO認証が可能になるもの。業務システムへのアクセス時などに利用者の本人認証が必要な場合に、PC画面に表示されたQRコードをスマートフォンのアプリケーションで読み込むことで、業務PCとスマートフォンをひも付け、スマートフォンに格納した生体情報によるFIDO認証でセキュアなアクセスを実現する。
この仕組みを使うことのメリットとして、利用者はIDやパスワードの入力が不要となり、導入する企業は新たに生体認証デバイスを導入する必要がないといった点が挙げられる。
また、スマートフォンでの生体認証に加えて、USBキーやICカードなどの外部デバイスを用いて二要素認証を行う「FIDO認証 Universal 2nd Factor(U2F)」方式の認証にも対応。複製が困難な外部デバイスを本人認証の条件に加えることで、より確実な認証を実現するという。
「パソコン・スマホ連携機能」の利用料金は個別見積。同社は、2018年度までに1000万ID獲得を目指すとしている。
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