資生堂、グローバル化に向け、研究開発拠点の情報基盤をkintoneで刷新
資生堂は、グローバルに展開できる情報基盤を求め、約20年間利用したDBや研究テーマの運用管理をkintoneで刷新した。
資生堂は、研究開発拠点における情報インフラをサイボウズの「kintone」で刷新した。2018年に竣工となる、世界5カ国9カ所の研究開発拠点のハブ「グローバルイノベーションセンター」の稼働に向け、情報の鮮度や維持管理の観点から、新たな環境に移行したという。
資生堂は、1990年代後半から「IBM Notes(Notes)」で業務システムを構築して約500個の掲示板やデータベースを運用し、約40チームの研究テーマをExcelで運用管理してきた。しかし、情報の統合や鮮度、維持管理などに課題があり、グローバル化に向けたインタフェースの英語化や、ICT戦略を実現するための情報共有のシンプルな仕組みの実現を目指し、システム基盤の移行を検討していた。
新基盤の要件は「スピード」「移行コスト」「24時間のサービスが可能なインフラ」の3つ。必要に応じて自分たちで修正でき、即公開できるスピード感、Notesからの移行にかかるコストに加え、研究者全員がいつでも最新の研究テーマを共有できるクラウド基盤という面から検討した結果、これらの要件に合致するkintoneの採用を決定したという。
現在は日本の研究者を中心に1000人弱がkintoneを利用できる状況にある。従来のExcelに代わり、研究テーマは全てkintone上に登録され、複数のアプリが連携して情報共有や進捗管理をすることで、情報管理の負担は大きく軽減したとのこと。
Notesで運用してきた各種DBは、2018年末をめどに移行を進める。NotesDBの移行は、M-SOLUTIONSが提供するNotesからの移行ツール「Smart at migration」を用いて、サポートチームが行う。Smart at migrationは、Notesのデータをそのままkintoneのアプリとして移行できるため、調査期間やアプリ構築の時間、コストの削減が見込めるという。
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