今日から始める”組織の活性化” 「変化の習慣をもつ」ということ:榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』(2/2 ページ)
組織を活性化させるには、「変化」を受け入れ、積極的に「変化」しようとする柔軟な姿勢が必要。そんな組織にするためには、どんな仕掛けを用意すればいいのか。
変化を日常化する仕掛けを持つ
そう考えると、ケンブリッジには「強制的に変化を引き起こす」仕掛けがあることに気が付いた。参考までに、いくつか紹介しよう。
・年1回の仕掛け「全員オフサイト」
「全員オフサイト」という「会社のことをぶっちゃけどう考えているのか、皆で腹割って話そうぜ」という会が年1回、開催される。社員全員が参加し、1泊2日で言いたいことをぶちまけ合う。自分の主張を表明し、議論して、よりよい見解にたどり着く。不満もたくさん出る。不満が出たら、「だったら言い出しっぺが変えてみろよな」となる。本当に変える必要があるのかはよく分からない。でもやろうと思った人がいれば、変えてみる。これが毎年の通例だ。
・毎日の仕掛け「Check Point」
ケンブリッジでは、プロジェクトごとに毎日「Check Point」を実施する。その日の動きはどうだったのか、改善すべきことはないのかを10分くらい話し合う時間だ。そこで挙がった改善点は、即実行される。プロジェクトはスピードが命だから、チンタラと誰かの許可を取っている暇はない。現場の判断でどんどんいろいろなものが変化していく。Check Pointをするからこそ、半分強制的に変化の種が生まれる。これが毎日の通例だ。
こうした仕掛けは、「変化することが当たり前」という風土をつくり出すものといえる。このように、「変化の習慣を強制的に組み込んでしまう」のがよいのだろう。極端にいうと、変化の必要性がなさそうに見えても、変化させてしまえばいいのだ。例えば、
- 新入社員研修の期間中、毎日改善提案を募る。そして毎日1つ選んで、即実行する。
- 部の目標を立てる際に、今期変化させること必ず10項目挙げて、実行する。
など、「強制的な変化」はいくらでも作り出せる。
さて、あなたの組織は、変化しているだろうか?
著者プロフィール:榊巻亮
コンサルティング会社、ケンブリッジのコンサルタント。一級建築士。ファシリテーションとITを武器に変革プロジェクトを支援しています。
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