光なのに夜、通信が超遅い…… そんな場合の対処法:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
「自宅に光回線を引いているのに、夜になると極端に遅い」――。最近、そんな事態に遭遇する人が増えています。今回は、その対処法を紹介しましょう。【訂正】
その昔、「高速通信といえば14.4kbpsのモデム」という時代がありました。それが今では、ギガ不足で低速通信の時ですら、モバイル通信で128kbpsの通信速度が得られます。家庭にはそれぞれ光ケーブルが届き、ギガビット級の高速通信までできるようになりました。ここまでおよそ30年、その進化には驚くべきものがあります。
しかし……、最近、「自宅に光回線を引いているのに、夜になると極端に遅い」という話を聞いたことはありませんか? 我が家も光ケーブルを引いていますが、ここ1年ほど、夜になると通信が詰まるように遅くなり、スマートフォンの4G通信の方が明らかに速いことが多々ありました。
Twitterを検索すると、多くのプロバイダーでこのような事象が起こっており、中にはプロバイダーを変えるという人もいるようです。
ただ、私が使っているプロバイダーの場合、光から光へと事業者を変えるには工事費がかかってしまいます。量販店の窓口に相談して、いらないオプションを提示されたりするのが面倒だったので、今回はプロバイダーを変えないで済む方法をとりました。結論から言うと大成功。本来あるべき速度を取り戻すことができました。
「全てIPv4」から、「IPv6、時々IPv4」の世界へ
今、私が使っているプロバイダーは、ネットワーク技術を知る人ならその名を知らないものはいない、「インターネットイニシアチブ」(IIJ)。日本のインターネット黎明期から存在するプロバイダーであり、MVNOとしても有名です。
今回、試したのは、そのIIJが光ケーブルのオプションとして提供している「DS-liteを使ったIPoE」です。何だか小難しそうな上、ゲーム機っぽい名前ですが、これは「光ケーブルなのに遅い」という現状の「遅い」ところをバイパスする技術なのです。
いったいどういう技術なのか、通信が遅くなっている原因を踏まえて説明しましょう。
光ケーブルなのに「遅い」のは、利用者の家庭からインターネットに通信を橋渡しする部分に原因があります。橋渡しするには、あなたが誰かを認証する必要があります。PPPoEと呼ばれるこの認証方法は、利用者の増加に合わせて各プロバイダーが投資し、許容量を上げるべく増強作業を行っています。
ただし、それにはフレッツを運営するNTT各社との調整が必要で、増強が追い付かなくなると、今回のような「光ケーブルなのに遅い」という事態が起こるのです。
なぜ、こんなことが起こるのかといえば、IPv4の利用者が多いことに原因があります。
【訂正:2017年11月2日19時30分 記事内容を「なぜ、こんなことが起こるのかといえば、仕組みはいささか古くなったものの、いまだ現役の「IPv4」に原因があります」から「なぜ、こんなことが起こるのかといえば、IPv4の利用者が多いことに原因があります」に修正しました。】
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