企業の「働き方改革」は人事部から始めるべき――そう考えるたった1つの理由:【新連載】人事×RPAで始める「働き方改革」(2/3 ページ)
日本全体でトレンドとなっている「働き方改革」。検討する企業が増えてきていますが、それを実現するためには、まず人事部から始めるのが「一番の近道」だと考えます。その理由は……。
しかし、こうした環境の変化は、企業にとって厳しいものだけではありません。「AI」「ロボット」「IoT」などに代表される先進的なITトレンドが、いよいよビジネスで実用化できるレベルになってきました。不足する労働力を技術で補えるのであれば、これらを使わない手はありません。
人事部の生産性を向上させて「働き方改革」を推進する
私は、企業が働き方改革を実践する上で、部門ごとに優先順位をつけるとしたら、まずは人事部門から始めるべきだと考えています。
その理由は単純です。人事部門の業務は、従業員の会社生活と密接に関連していますし、何より従業員全員の働き方を左右する部門だからです。しかし、現実は日々の煩雑な業務に追われ、働き方改革について考える余裕がないケースが多いのではないでしょうか。働き方を改革する役割の人が、過重労働だった……というのは皮肉な話です。
それならば、先進ITを駆使して人事部門の生産性を向上させ、全社レベルでの「働き方改革」を推進させるだけの余裕を作るべきでしょう。私は、人事部門の生産性を向上させて、働き方改革を推進するには3つのアプローチがあると考えています。
1:システム刷新による業務効率化
業務改善(改革)などの活動および、改善活動に見合った人事システムの刷新で業務を効率化することです。AIや統計などの技術を活用して、従来把握しきれなかった情報を活用し、多面的に分析することで、人事業務の精度を向上させることができるでしょう。
2:人財の増力化
社員の生産性を高めることで、人事の仕事は減らすことができます。最近注目されている「タレントマネジメント」では、豊富な人財情報を活用し、従業員のポテンシャルを生かせる「適材適所配置」を実現することで、従業員のモチベーションの向上を図り、“人財の増力化”を実現します。社員のエンゲージメントが向上して離職率の低減にもつながるでしょう。
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