東京湾アクアラインでAIを活用した渋滞予測――NEXCO東日本とNTTドコモが実証実験
東日本高速道路(NEXCO東日本)とNTTドコモは、AIによる渋滞予測の実証実験を行う。東京湾アクアラインの渋滞予測を、Webサイトやアプリで配信し、渋滞の緩和効果などを検証する。
東日本高速道路(NEXCO東日本)とNTTドコモは、東京湾アクアライン上り線(川崎方面)で、NTTドコモの「AI渋滞予知」を活用した渋滞予測の実証実験を行う。期間は2017年12月2日〜2018年3月31日の予定。
AI渋滞予知は、NTTドコモの携帯電話ネットワークから得られる人口統計と、NEXCO東日本が保有する過去の渋滞実績や規制情報を組み合わせて、その関係性を学習し、パターン化したAI(渋滞予知モデル)を活用して渋滞を予測する技術。
実証実験では、正午時点の房総半島一帯における人出に基づき、14時〜24時までのアクアライン上り線における渋滞を予測する。予測結果は、NEXCO東日本が提供するドライバー向けWebサイト「ドラぷら」で配信し、渋滞予測時間帯を避けた利用を提案。ドライバーの満足度向上と周辺地域の活性化を目指す。
また、渋滞予測時間帯に木更津アウトレットや木更津市内の店舗で利用できる「ヨル得」クーポン情報をドラぷらで配信し、交通の分散を図る。2018年2月からは、「ドラぷら」アプリでも渋滞予測結果の配信を開始する予定。
実証実験を通して、こうした情報発信に基づく利用者の行動変化や、渋滞の緩和効果などを検証していく。
今回の実証実験に先立ち、2015年1月から2017年4月まで、アクアライン上り線の渋滞実績と人口統計を基に、AI渋滞予知の予知精度を評価したところ、10キロ以上の渋滞予測を見逃した割合は、1%だった。これに対し、従来NEXCO東日本が提供している「渋滞予報カレンダー」では6%だったという。
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