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NSA元契約職員、極秘国防文書自宅持ち帰りで有罪判決
米司法省が、NSAの元契約職員が2010〜2015年に極秘の国防情報を故意に保持したとして有罪判決を下したと発表した。この職員の私物PCからロシア政府のハッカーが情報を盗んだとみられている。
米司法省(DoJ)は12月1日(現地時間)、米国家安全保障局(NSA)の元契約職員、ニーア・ホアン・フォー氏(67)が、国防情報を故意に保持したとして有罪を認めたと発表した。
同氏が自宅に持ち帰り、私物のPCに保存していた機密文書は、ロシア政府の関与するハッカー集団によって盗まれたとみられている。
DoJによると、フォー氏は2006年からNSAで海外情報を収集する仕事に従事し、2010〜2015年3月に極秘情報を含む国防情報を私物のPCに転送し、保持していた。
米New York Timesに匿名の政府職員が語ったところによると、フォー氏はレジュメを書くためにそれらの文書を持ち帰ったという。
同氏の私物PCにロシアのセキュリティ企業Kasperskyのセキュリティアプリがインストールされていたことが、米連邦政府によるKasperskyアプリ締め出しに繋がったようだ。
Kasperskyは独自の検証を実施中で、この疑惑を否定している。
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