Apple、「iPhone X」向けVCSEL製造企業Finisarに3億4000万ドル授与
Appleが、5月のCorningへの2億ドルに続けて半導体レーザー「VCSEL」メーカーのFinisarに3億4000万ドル授与すると発表した。VCSELは「iPhone X」のFace IDやポートレートモード実現に欠かせないパーツだ。
米Appleは12月13日(現地時間)、「iPhone X」や「AirPods」などで採用する半導体レーザー「VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)」メーカーの米Finisarに3億4000万ドルを“授与(award)”すると発表した。
これは、同社の10億ドル規模の「Advanced Manufacturing Fund」の取り組みの一環。このファンドは、「米国の製造業でのイノベーションを育成する」目的で立ち上げたもので、5月にはゴリラガラスの米Corningに2億ドル授与した。(Corningの発表時には授与ではなく出資(invest)という言葉を使っていたが、今回はCorningについても「授与した」になっている。)
VCSELは、iPhone XのFace ID、Animoji、ポートレートモードなどの新機能を担う部品だ。
Appleは第4四半期(10〜12月)だけでもVCSELをこれまで同期間に世界中で製造された数量の10倍購入する見込みという。
Finisarは1988年創業のカリフォルニア州サニーベールに拠点を置く光通信製品のサプライヤー。同社はAppleから授与された資本で、テキサス州シャーマンに保有する閉鎖中の工場をVCSEL増産の拠点として再開する計画だ。この工場は約6万5000平方メートルの広さで、これにより当地に500人の雇用を創出する見込み。この工場からのVCSELの出荷は2018年第2四半期から開始の予定だ。
Appleはこの授与でiPhoneの重要パーツの安定供給と、米国での雇用創出アピールの両方を実現できる。
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