ニュース
インターネットの大規模犯罪集団、各国の連携で摘発 被害総額は5億3000万ドル以上
多国籍企業さながらの組織運営で盗まれた個人情報やクレジットカード情報の売買や、メンバー向けサービスの提供を行っていた国際犯罪集団が摘発され、36人が訴追された。
米司法省は2月7日、インターネットを使って盗まれた個人情報やクレジットカード番号などの大掛かりな取引を行っていた国際犯罪集団「Infraud Organization」を摘発し、36人を訴追したと発表した。
発表によると、同集団は世界的規模でサイバー詐欺を展開し、消費者や企業、金融機関などが被った被害総額は5億3000万ドルを超すとされる。米当局は国際刑事警察機構(ICPO)や各国の警察などと連携して、米国のほかオーストラリア、英国、フランス、イタリア、コソボ、セルビアの6カ国の13人を逮捕した。
起訴状によると、Infraud Organizationは2010年10月、34歳のウクライナ人によって創設され、盗まれた個人情報やクレジットカード情報、銀行口座情報、さらにはマルウェアや違法商品などの売買や宣伝を行っていた。
メンバーに対してはデジタル通貨の不正取引を手助けするエスクローサービスを提供し、質の高い盗難情報を扱う業者のみを選別して広告を出させる審査手順を設けていたとされる。
組織内では日常業務や戦略の立案を担う「管理者」や、管轄業務を監督する「スーパーモデレーター」といった役職を設けて運営に当たらせ、登録メンバーは2017年3月の時点で1万人を超えていたという。
訴追された36人の国籍は、パキスタン、エジプト、バングラデシュ、カナダなども含めて多岐にわたっている。
関連記事
- 国際サイバー犯罪集団が相次ぎ日本進出、その理由は
欧米を主な標的としていた大手サイバー犯罪集団が相次ぎ日本に上陸している。「日本にとっての猶予期間は終わった」とIBMは断言する。 - 世界を襲ったマルウェア攻撃、ウクライナ警察が容疑者逮捕
逮捕された51歳の男は、6月下旬の大規模サイバー攻撃に使われたマルウェアの拡散に関与したとされる。 - 中国の犯罪集団、Androidマルウェア「HummingBad」で荒稼ぎ
中国の犯罪集団YingmobはHummingBadを利用して世界で1000万台のデバイスを操り、詐欺広告で月間30万ドルの利益を上げているという。 - ウイルス対策ソフト対抗サービスの利用者を一斉摘発 「サービスとしての犯罪」浮き彫りに
サイバー犯罪集団向けに提供されていた、マルウェアがウイルス対策ソフトウェアに検出されないようにするサービスの利用者が、欧州で一斉摘発された。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.