「テレワーク保険」は、どこまで働き方改革のリスクをカバーしてくれるのか:Microsoft Focus(2/2 ページ)
東京海上日動火災保険と協業し、「テレワーク保険」の共同展開に乗り出した日本マイクロソフト。テレワークのリスクをどこまでカバーしてくれるのだろうか。
“深い”連携でテレワーク文化の普及活動も
東京海上日動と日本マイクロソフトは、今回のテレワーク保険の取り組みだけでなく、働き方改革の推進において、幅広く協業することになる。
東京海上日動では2017年10月に、東京海上グループの4万3000人を対象に「Microsoft 365」を導入して、働き方改革に取り組んでいる。「テレワークの対象を全社員に拡大し、社員の働きがいと生産性の向上を両立することを目指している」(東京海上日動火災保険の大塚祐介常務執行役員)という。
先行してテレワークを導入し、生産性向上などで実績を上げている日本マイクロソフトの社内実践の結果を共有したり、エンタープライズサービスの技術コンサルティングを活用したりといった取り組みを通じて、円滑な導入と利活用を支援。「最新のWindows 10の環境を利用することにより、グローバル対応が図れるほか、テレワークの推進においても、最新の環境によって、高いセキュリティが提供されること、働き方の改革に利用するための最適なソリューションが実現できるといったメリットがある」(東京海上日動火災保険の大塚常務執行役員)
両社はまた、働き方の改革を推進するために、テレワーク文化の普及を視野に入れた活動を開始するという。
例えば、日本マイクロソフトが2月6日に開催した「Microsoft Security Forum 2018」では、東京海上日動のMicrosoft 365を活用した働き方改革の取り組みを紹介。クラウドセキュリティ実現のためのIT統制と内部統制の課題解決に向けた成果などを示したほか、両社共催で「テレワークを促進する基本のセキュリティ対策」セミナーを2月23日に開催し、企業がテレワークを実施する際のリスクマネジメント手法やテレワーク保険の活用方法などについて説明する。
日本マイクロソフトでは、2018年の事業方針に「デジタルトランスフォーメーションの推進」を掲げ、「働き方改革 NEXT」と「インダストリーイノベーション」に取り組む姿勢を示している。
特に提案力が求められる「働き方改革 NEXT」では、テレワークの推進だけでなく、それによって得られる成果を重視した活動を行う姿勢をみせている。日本マイクロソフトと東京海上日動との協業は、これまでのように単にテレワークソリューションを導入するという提供側と導入側という関係ではなく、保険商品の開発や協業のもとでのテレワークの実践、そして共同でのセミナー展開といったように深く連携したものになる。これも「働き方改革 NEXT」と呼べる動きの1つといえそうだ。
関連記事
- 連載:「Microsoft Focus」記事一覧
- モバイルPCのセキュリティリスクを補償する「テレワーク保険」 東京海上日動と日本マイクロソフトから
東京海上日動と日本マイクロソフトが、モバイルPCからの情報漏えいやモバイルPCに対する不正アクセスといったテレワーク中のリスクをカバーする「テレワーク保険」を発売。Windows10を搭載した法人向けPCに付帯する形で提供される。 - 全てのOSSテクノロジーをAzure上で 加速するMicrosoftのオープンソース戦略
Microsoftとオープンソースソフトウェア(OSS)の距離が急速に近づいている。デジタル変革を目指す企業の支援策としてオープンソース戦略を加速させるMicrosoftの狙いとは。 - IoTを使って「ながら運転」を防ぐスマホケース登場、そのメカニズムとは?
車内にいる間はスマートフォンを使えなくする――IoTでそんな制御を行うスマホケースを使って、交通事故を減らそうとする実証実験が行われる。その仕組みは意外とシンプルなものだった。 - 東京海上日動が、災害対策強化で取り組む「データセンター仮想化」とは
東京海上日動がデータセンターネットワークを刷新し、複数のデータセンターとのシームレスな接続、クラウドとの連携、SDN対応を推進している。同社が見据えるのは災害対策強化を可能にする「仮想データセンター」の実現だ。 - 11万人のOffice 365移行に成功したリコー、働き方改革支援サービスをスタート
リコージャパンと日本マイクロソフトが、中小企業の働き方改革を支援する「リコー Microsoft 365 支援センター」を共同で設立する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.