農産物の出荷振り分けが8時間から1秒以内に 三浦市農協がkintoneで効率化
農業のIT化を推進するサイボウズと神奈川県三浦市農業協同組合は、出荷予定の農産物の配送先の割り当てと配車作業を自動化する「三浦市農協配車システム(仮)」を「kintone」で構築。出荷情報を入力するだけで1秒以内に出荷物の振り分けプランや配送ルートなどを生成できるという。
サイボウズと神奈川県三浦市農業協同組合は2月14日、出荷予定の農産物の配送先の割り当てと配車作業を自動化する「三浦市農協配車システム(仮)」の運用を2018年4月より開始すると発表した。
サイボウズの業務アプリ開発プラットフォーム「kintone」を基盤に構築した新システムで自動化することで、作業時間が1日あたり約8時間削減され、生産性が大幅に向上するとともに、kintoneにデータが蓄積されることで、今後の出荷計画の判断支援や自動化が可能になるという。
従来、各農家からの出荷情報を事業所が日々とりまとめ、農協が手作業で約50の市場に出荷物の品目、数量などを振り分けるプランを作成していたが、新システムでは、出荷情報を入力すると瞬時に出荷物振り分けプランを自動生成できる。
配送トラックによる集荷を効率化でき、トラックの台数を削減することで費用削減やCO2排出量の削減といった効果も見込めるとしている。
サイボウズと三浦市農協は2017年5月に、三浦市における農家の収益安定化を目的とした農業のIT化推進で連携し、「アグリコネクト三浦」の運用を開始。それまで有線放送で行っていた野菜の概況や市況(単価)の報告をkintoneを基盤とした情報共有プラットフォームで代替えしたもので、現在、市内の約80%の農家が利用しているという。今回の「三浦市農協配車システム(仮)」の運用は、その取り組みの第2弾となる。
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