30分先までのタクシー乗車需要を予測――NTTドコモの「AIタクシー」スタート
NTTドコモは、人口統計データとタクシーの運行データから30分後までのタクシーの利用需要をリアルタイムに予測し、ドライバーにオンライン配信する「AIタクシー」の提供を開始。サービスを先行導入したタクシーの運行が、東京と名古屋で順次開始される。
NTTドコモは2月15日、AIを活用してタクシーの乗車需要をリアルタイムに予測するサービス「AIタクシー」を法人企業向けに提供を開始した。
AIタクシーは、現在から30分後までのタクシー乗車需要の予測結果などのデータをオンライン配信するサービス。同社の携帯電話ネットワークを活用した人口統計情報とタクシーの運行データに加え、気象データや周辺施設情報といったデータをかけ合わせて分析することで、タクシーの利用需要をエリアごとに10分単位で予測する。予測結果は、タクシー事業者の配車システムやドライバー業務支援アプリなどを介してドライバーに配信する。
15日以降、先行して同サービスを導入した東京23区、武蔵野市、三鷹市の東京無線タクシー1350台と、名古屋市のつばめタクシーグループ1150台のタクシー車両の運行が順次開始する。
配信するデータは、「営業区域内500メートル四方ごとのタクシー乗車台数の予測値」「乗客獲得確率の高い100メートル四方のエリアの情報」「乗客獲得確率の高い進行方向」「普段よりも人口が多い500メートル四方のエリア情報」。これらのリアルタイムの移動需要予測データを活用することで、タクシーの待ち時間の短縮、電車遅延やイベントなどの非日常的な乗車需要増への対応、ドライバーごとの実車率のばらつき解消や底上げ、そして業務効率や生産性向上といった効果が期待できるという。
提供形態としては、配車システムベンダーがAIタクシーの機能を搭載するシステムを開発したものをタクシー事業者が利用する場合(一般的な利用形態)と、タクシー事業者がAIタクシーの機能を搭載したシステムを開発する方法が用意されている。
価格は、営業区域数とタクシー車両台数により異なるが、初期導入費用は30万円(税別、以下同)から、月額利用料は車両1台あたり900円前後で提供。導入を検討している顧客に対して、利用期間を限定した、初期導入費用0円のお試しプランも提供する。
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