個人情報流出事件をきっかけに、“Facebook漬け”の生活を見直した話:半径300メートルのIT(3/3 ページ)
5000万人のユーザーデータを流出させてしまったFacebook。普段からSNS中毒を自覚している私も、少しFacebookと“距離を置こう”と考えました。とはいえ、いきなりアンインストールするのも現実的ではありません。何から始めればいいのでしょうか。
4.「代替案」を用意する
今までさまざまな方法を上げてきましたが、正直“SNS中毒者(私も含め)”がこれだけでガマンできるとは思いません。そこで、自分が信頼できる、安心、安全な代替手段を準備しておきましょう。
投稿の代替手段として最もお勧めなのは、誰にも見せることのない「メモ」や「日記」かもしれません。書きたいことを残し、誰にもシェアしない――一見ばかばかしく思えるかもしれませんが、これだけでスッキリすることも多いと思います。
それでも誰かに情報を届けたいならば、自分の管理下における何か、例えばブログなどのオルタナティブなSNSツールを活用してみましょう。私はMastodonを活用しています。全ての情報が自分が管理するサーバに蓄積されるので、誰にも干渉されないSNSが実現します(関連記事)。ただし、データの扱いについては、全て自己責任なので、MastodonやWordPressのような仕組みを活用するならば、正しいアップデートが重要になるでしょう。
SNSだけが人生ではない
「あなたとは距離を置きたいの」。大抵の恋愛漫画であれば、これは自然消滅のサインでしょう。SNSも栄枯盛衰があるわけで、FacebookもTwitterもいつかは次のサービスに置き換えられるかもしれません。そういう意味で、この事件は、今存在する特定のSNSに縛られる生活が、あまり健全ではないということを再度教えてくれました。
ことSNSにおいては、他人の行動やサービス提供者の行動を変えることは難しい……というか非現実的です。それならば、変えるべきは「自分」。もし、SNS中毒を自認するよう生活をしているならば、今回の事件に注目しておいて損はありません。私自身も自らを見直すいい機会になりました。
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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