Microsoftなど34社が「セキュリティ協定」、国家によるサイバー攻撃支援せず
「攻撃の動機に関係なく、世界の全てのユーザーを守る」「政府が仕掛けるサイバー攻撃は支援しない」などの基本原則を打ち出した。
米MicrosoftやFacebookなどハイテク企業やセキュリティ企業34社が参加して4月17日、サイバー犯罪集団や国家によるサイバー攻撃からユーザーを守ることを定めた「Cybersecurity Tech Accord」(サイバーセキュリティテック協定)の調印を発表した。
同協定にはABB、Arm、Cisco、Facebook、HP、HPE、Microsoft、Nokia、Oracle、Trend Microなど34社が参加。互いに連携して、世界のユーザーを守るためにより効果的な対策を講じることを目指す。
基本原則では、「攻撃の動機に関係なく、世界の全てのユーザーを守る」と宣言。「政府が仕掛けるサイバー攻撃は支援せず、自分たちの製品やサービスの改ざんあるいは悪用を防止する」などの方針を打ち出した。
Microsoftはこの協定について、文民の保護を定めた「ジュネーブ条約」のデジタル版と位置付け、業界が連携して対策を強化する必要性を説いている。参加企業は米サンフランシスコで開幕したセキュリティカンファレンスのRSA Conferenceで第1回の会合を開く。
一方、ハイテク大手の中でもApple、Amazon、Googleなどは同協定に参加していない。
サイバー空間でも国家間の対立が深まる中で、2017年は国家の関与が疑われるWannaCryやNotPetyaなどのマルウェアが大規模な被害を発生させる事態が相次いだ。米国家安全保障局(NSA)は、CiscoやIBMなど大手の製品の脆弱性を突くハッキングツール開発にかかわったと伝えられている。
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