「この業務を自動化したい」――そう願うあなたが、RPAを開発するべき“3つの理由”:RPAで始める業務自動化のススメ(5)(1/2 ページ)
この業務にRPAを導入したい……そう願うあなた自身がRPAを開発すると、いろいろないいことがあります。今回はその具体的な3つのメリットについてお話ししましょう。
「この業務にRPAを導入したい!」
そう思ったなら、あなた自身がソフトウェアロボットを開発すればいい――。前回の連載では、まさにそんなお話をしました。いわゆる“言いだしっぺの法則”のようなイメージを持たれるかもしれませんが、実際にさまざまなメリットがあります。
ロボット化(自動化)の対象となる業務は、日次や週次、場合によっては毎時間など、定期的に繰り返される作業や、回数は少なくても、ステップが多くて長大な作業が有効です。今回はこれをユーザー自身がロボット化する3つのメリットをお話しします。
メリットその1:ロボット化に「すぐ」着手できる
まず挙げられるのは、「ロボット化にすぐ着手できる」という点でしょう。自分の業務内容について、一番知っているのは自分自身。業務内容がユーザー自身の頭の中に既にあるならば、後は、それをロボットの操作に置き換えていくだけだとも言えます。システム開発会社に委託するときのような、業務内容の説明やその準備、そして相手がそれを理解したかの確認といった、多くの工程を省略できます。
そして、いつロボットが完成するかは、自分自身のやる気にかかっています。業務に追われる中でなかなか時間が取れなかったり、他の業務を優先する必要があったりと、思うように進まないことも多いとは思いますが、他人を挟まない分、いつ完成するのかも分からず、あなたが何もできずに待たされるような時間はなくなるでしょう。
しかも、自分自身で開発するなら、開発会社に支払う費用は発生しません。業務時間を使ってロボット化を行うのだから、あなた自身の人件費はかかりますが、それは会社が約束している「固定費」であり、新たに発生するお金ではありません。面倒な稟議(りんぎ)も出さなくてよいのです。極端に言えば、ソフトウェアの費用とあなたのやる気だけで、ロボット開発が進められるというわけです。
メリットその2:ロボットの動作を“気軽”に変更できる
ロボットの中身(ロジック)がブラックボックスではなく、あなた自身で把握できる点も大きなメリットです。新たな機能の追加や、うまく動かなかったときの修正など、気軽にロボットの動作を変更できるようになるためです。
ロジックの内容を十分に把握せずに変更を行うと、思わぬところにその変更が影響し、不具合を招くことも少なくありません。開発を委託した会社がずっと保守をしてくれれば安泰かもしれませんが、そうではなければどうなるでしょうか。開発会社側も、責任問題になりかねない変更をあえて引き受けようとはしないでしょう。
また、開発元と別の会社が変更を行う場合、ロジックの説明が十分にできないと、上記のような不具合を招くきっかけになったり、場合によっては、中身や開発の経緯が分からないことを理由に断られたりするかもしれません。
仮に自身が異動するような場合も、ロボットを作ったのは自分なので、引き継ぎもスムーズできるでしょう。「引き継ぐ相手もロボットを開発できること」が条件にはなりますが……。
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