インテル50周年の歴史にみるコンピューティングの変遷:Weekly Memo(2/2 ページ)
間もなく創業50周年を迎える米Intelの日本法人インテルが、これまでの歴史を振り返るとともに今後の戦略について説明した。その変遷はITそのものの歩みともいえそうだ。
今も示唆に富む、創業者の将来に向けたメッセージ
オーバーソン氏に続いて説明に立ったインテルの山本専 執行役員マーケティング本部長は、「50年にわたるPCイノベーションの歴史」として図4を示した。それによると、Intel創業の1968年には「マウス」が誕生。1971年には最初のマイクロプロセッサ「4004」、1978年にはインテルを代表するプロセッサ「8086」が登場し、「x86アーキテクチャ」が浸透していった。
ご年配の業界関係者にとっては、自らの軌跡もたどりながら、つい見入ってしまう図なのではないか。筆者も40年近い記者稼業のとくに初期の頃を思い出すきっかけになった。
そこで、Intelとは直接関係ないが、2006年から2007年にかけて本サイトに掲載された筆者執筆の「温故知新コラム」から、PCをテーマにした記事を5本ピックアップしてみたのでご笑覧いただきたい。どれも1980年代後半の「歴史が動いた瞬間」を筆者なりに解説したものである。
- Windowsが日本で“離陸”した日(2006年7月6日掲載)
- 進化するマルチメディアパソコンとノスタルジー(2006年8月17日掲載)
- 若き日のゲイツ氏も出演 ――「偉大なる凡機」PC98、32ビット化への挑戦(2007年8月28日掲載)
- 「98互換機」と黒船来襲 ―― エプソンとNECの奇妙な関係(2007年9月12日掲載)
- ジョブズ氏、タキシードで登場 ―― カリスマが幻の次世代PCをアピール(2007年10月24日掲載)
Intelの50周年を受けて、つい自分の過去のコラムをPRしてしまったが、本Weekly Memoでは初めて紹介する記事ばかりなので、気になる記事があればお目通しいただきたい。
ということで、インテルの話に戻ると、山本氏に続いて説明に立った土岐英秋 執行役員常務技術本部長は、同社がカバーしている事業領域として図5を示し、「当社はエッジからクラウドまで、コンピューティングの原動力を提供している」と強調した。
そのうえで、「当社のハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、コンピューティングのワークロードを高速化してきたい」と、幅広い領域をカバーしていることの利点を訴えた。
最後に、オーバーソン氏が紹介した、創業者の1人であるノイス氏の言葉を記しておこう。
「歴史の足跡にとらわれず、将来に向けてさらなるイノベーションを起こせ」
この名言、検索してみると、さまざまな和訳があるようだが、筆者はこう解釈してみた。このメッセージはノイス氏がインテルにとどまらず、IT、そしてデジタル技術や産業に向けて発したようにも受け取れる。
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