AWSに顧客を奪われるな! Windows Server新環境への移行に向けたマイクロソフトの“深謀遠慮”:Weekly Memo(1/2 ページ)
企業システムのサーバOSとして数多く利用されている「Windows Server 2008」のサポート終了に伴い、日本マイクロソフトが新しい利用環境への移行支援策を打ち出した。その発表会見では競合に対抗した“深謀遠慮”が感じられた。
Windows Server 2008サポート終了に伴う移行支援策を発表
「現在、Windows Server 2008は全国で約54万台稼働しているが、そのサーバ全てを2020年1月までにクラウドをはじめとした新しい利用環境に移行していただけるよう、戦略パートナーとともにしっかりと支援していきたい」――。
日本マイクロソフトの高橋美波 執行役員常務パートナー事業本部長は、同社が先頃開いた「Windows Server 2008」および「SQL Server 2008」のサポート終了に伴う新しい利用環境への移行支援策の発表会見でこう強調した。
Windows Server 2008は2020年1月14日に、SQL Server 2008は2019年7月9日に、マイクロソフトの「サポートライフサイクルポリシー」に基づいてサポートが終了する。それ以降はセキュリティ更新プログラムが提供されなくなるため、サーバ環境への不正侵入、脆弱性が特定される懸念、情報漏えいの危険性などの潜在リスクが増加する。従って、同社では新しい利用環境への移行を促進している。
移行支援策としては、図1のように、ユーザーの利用状況に応じて「オンプレミス環境での最新OSへのアップグレード」「クラウド環境(Azure)への再ホスト(リフト&シフト)」「クラウド環境への再設計による移行(リファクタリング)」といった3つのフェーズを用意。図中の下段にあるように、ライセンス面での配慮も行っている。また、図2には、3つのフェーズにおけるユーザーメリットが記されている。
そして、今回の発表の目玉となるのが、これらの移行支援策を推進するために、ユーザーの課題に合わせて適切な戦略パートナーを紹介する「マイクロソフトサーバー移行支援センター」を設立したことだ。図3が同センターの概要である。詳細については関連記事をご覧いただきたい。
高橋氏によると、戦略パートナーとして参画したのは、この発表時点で57社。会見ではそのうち7社が登壇し、今回の日本マイクロソフトの施策に向けたそれぞれの取り組みについて説明した。
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