Google、不正利用のアカウント削除を発表 イランが関与と判断
Googleが失効させたYouTubeやBlogger、Google+のアカウントは、イランの利益に沿った政治コンテンツを拡散させていたとされる。
米Googleは8月23日、セキュリティ企業のFireEyeやJigsawと連携して、イランが関与するフィッシング詐欺や不正なアカウントを発見し、関連するYouTubeやBloggerのアカウントを失効させたと発表した。
これに先立ちFacebookとTwitterも、イランやロシアが関与していたとするアカウントの削除を発表し、Microsoftは米国の選挙への介入を狙ったとされるロシア関与の不正サイト摘発を発表していた。
Googleでは、FireEyeから提供された情報に加え、イランに関係する不審な挙動について独自に調査を行って、米国の司法当局に通報したと報告。調査の結果、不審な挙動はIslamic Republic of Iran Broadcasting(IRIB)という組織に関連していることを突き止めたとしている。
IRIBは、自分たちの関与を隠して米国で英語の政治コンテンツを共有していたとGoogleは判断し、YouTubeの39チャンネルとBloggerのブログ6件、Google+のアカウント13件を失効させたことを明らかにした。
さらに、国家が支援する形でGmailアカウントを乗っ取ろうとするフィッシング詐欺に対する対策を進める中で、イランから発信されたフィッシングも検出し、直近では8月20日に、Gmailのユーザーに警告を出したとしている。
今回の発表に関連してFireEyeは、イランの関与が疑われる組織が米国や英国、中南米、中東のユーザーを狙って、不正なニュースサイトや複数のソーシャルメディアのアカウント経由で、イランの利益に沿った政治コンテンツを拡散させていたことが分かったと伝えていた。
FireEyeはこの問題に関する詳しい報告書を公表し、ソーシャルメディアを利用して他国の政治世論を形成しようとする国は、ロシアだけではないと警鐘を鳴らしている。
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